【簡単工作】アンテナは手作りできる! 自作方法とテレビが映る仕組み

2023.11.17

【簡単工作】アンテナは手作りできる! 自作方法とテレビが映る仕組み

テレビを視聴するときに欠かせないもののひとつに「アンテナ」があります。しかしテレビのアンテナといっても、じつはいくつか種類があることはお気づきでしょうか。

今回のコラムではテレビ視聴の際に利用するアンテナの種類を中心に、アンテナを手作りする方法や受信状況がよくないときの対処法などについてご紹介していきます。アンテナの原理や種類を知って、状況にあったアンテナ選びにつなげていきましょう。

地デジアンテナの種類は基本的にこの2種類

私たちにとって身近な地域の話題を多く取り扱い、視聴する機会も多いのが「地上デジタル放送(地デジ)」ではないでしょうか。

この地デジでは「放送所」と呼ばれるテレビ局の施設から電波が発射され、私たちのもとへと届けられます。このとき電波の波の方向は地面に平行(水平偏波)となっていることが多いため、その電波を受信しやすい次のようなタイプのアンテナが用いられます。

八木式アンテナ(宇田・八木式アンテナ)

1920年代に開発された、魚の骨のような形をしたアンテナです。電波の来る方向に向けて設置し、横骨の部分(導波器・放射器)で電波を集める仕組みとなっています。この仕組みから特定方向から発信される電波の受信に向いており(指向性が高い)、横骨を増やすことでより遠くの電波に照準を合わせることも可能。ほとんどの場合屋根上に設置されますが、地デジ受信ではベランダなどに設置する方も増えてきたのが特徴でしょう。

なお地デジ用の「UHF」帯向けには、後ろ部分にくの字状の「反射器」が付いているタイプが利用されることが多いです。

デザインアンテナ(平面アンテナ)

デザインアンテナはプラスチックのケースに覆われた地デジ用のアンテナです。内部には真ん中に溝の入った金属の板が取り付けられており、この金属の板で地デジの電波をキャッチします。

八木式アンテナと比べるとより広い角度から電波を受信できるため、住宅の壁面などにも取り付けやすいことが大きな特徴。ただそのぶん受信後の信号の強さは弱くなりやすく、放送所から離れた地域では使えないこともあります。ノイズに強い地デジだからこそ普及した面も大きいでしょう。

室内アンテナ

金属の線を1周させてループ構造を作り、平面化・小型化したアンテナが室内アンテナです。

地デジ開始以前からあるにはあったものの、ノイズが入りやすく利用される機会は多くありませんでした。しかしノイズに強い地デジ開始で、デザインアンテナとともに家庭向けに普及したのです。
大型のアンテナに比べると電波の受信精度は劣るため、利用できるのは放送所から限られた範囲なのがデメリットとなります。

また室内アンテナの中には窓に張り付けて利用するフィルム状のものもあります。現在の中心は自動車向けではあるものの、近年では家庭向けに開発されたフィルムアンテナも登場し始めました。

ホイップアンテナ

FMラジオ受信用などに使われる、棒状の簡易的なアンテナです。簡易的なアンテナのため受信精度は高くないものの、構造が単純で組み込みやすいことから携帯端末向け放送「ワンセグ」を受信するときに利用されることが多くなっています。

地デジアンテナの種類は基本的にこの2種類

自作もできる?うちわで地デジアンテナを作る方法

地デジアンテナは比較的シンプルな構造ということもあり、自作することも難しくありません。ここでは夏の時期にもらうことも多い、プラスチックのうちわを使った作り方をご紹介します。

うちわアンテナの作り方

アンテナづくりの材料

①うちわの外周部分にのりを塗ります。このとき真ん中の部分にはのりを塗らず、残しておくようにしてください。

②うちわの面全体を覆うことのできるアルミホイルを用意し、のりを塗ったところに貼り付けます。

③アルミホイルでのりの付いていないところを切り取って取り除きます。このとき馬のひづめの形(Cの形)になるよう思い浮かべながら作業するとスムーズです。

自作もできる?うちわで地デジアンテナを作る方法

④適度な長さのアンテナケーブルを用意します。そして片側の端をテレビにつなげるよう、コネクター(F型コネクター)を取り付けましょう(既存品を利用する場合は加工不要)。

⑤コネクターとは反対側の端を加工します。1番外側の被膜を取り除き、真ん中を通る「芯線」の部分・その外側を覆うような金属メッシュ「導体」の2つに分岐させてください。

自作もできる?うちわで地デジアンテナを作る方法

⑥導体・芯線の金属部分をそれぞれうちわの左右に取り付けます。アルミホイルにしっかり接触するよう、セロハンテープなどで固定してください。

⑦ケーブルやアルミホイルが外れないよう、透明テープでうちわ全体を整えるようにします。またケーブルは持ち手にビニールテープなどで固定しましょう。

⑧完成したことを確認するために、一度テレビにつないでみましょう。このとき地上波用の端子(UHF端子)につなぐようにしてください。最寄りの放送所の方角を中心に角度や方向を少しずつ調整し、映ることが確認できたら完成です。

自作もできる?うちわで地デジアンテナを作る方法

意外と簡単にできてしまうので、お子様の夏休みの自由研究などにもおすすめです。

どうして受信できるの?

この「うちわアンテナ」が受信できるポイントは「アルミホイル」を貼ることにあります。じつは先ほど地デジアンテナのひとつとして紹介した「デザインアンテナ(金属の板で電波をキャッチする)」と「室内アンテナ(金属線を1周させて受信する)」の両者を組み合わせた構造といえるのです。

加えて地デジはノイズに強く、うちわアンテナの拾う比較的弱い信号でも映像が再現できます。こうした特徴が組み合わさり、簡単な工作でも地デジアンテナが作れるのです。

自作もできる?うちわで地デジアンテナを作る方法

地デジとBS/CSでアンテナが違うのはなぜ?

ところで、テレビにはもうひとつ、BSやCS放送用のアンテナを接続する端子があります。ここに接続するアンテナは地デジ用のアンテナと何が異なるのでしょうか。

電波が送られてくる場所が異なる

地デジは高さ634メートルの東京スカイツリー(関東広域)や標高642メートルの生駒山(関西広域)、また最寄りの遠くまで見渡せる山に中継局が設けられるなど、お住まいの地域に比較的近いところから電波が発信されて家庭まで届きます。そのぶん電波の届く範囲も狭いことがデメリットといえるでしょう。

そこでBS放送やCS放送は赤道上空(BS放送の場合東経110度・CS放送の場合東経110度/124度/128度)に浮かぶ人工衛星を経由することで、日本全国に電波を届けています。

送られてくる電波も異なる

BSやCSといった人工衛星を利用したテレビ放送では地デジと同じ帯域の電波を利用すると電波の干渉などが起こりやすいため、より周波数の高い電波を利用しています。電波は周波数が高いほどまっすぐ進みやすく、日本周辺に絞って放送を届けることができるようになるのです。

加えて電波の波も円を描くように回転させる波にすることで、左回り・右回りで電波を有効活用できるようにしています。

アンテナの仕組みも異なる

こうした電波の特性から、BSやCSのアンテナは地デジのアンテナと違い円盤状の形をしていることが多いです。この円盤で電波を反射させ、腕のように伸びている部分()へと集めます。これがパラボラアンテナの仕組みです。パラボラアンテナも八木式アンテナと同様、特定の方向の電波を受信しやすいという特性をもっていることが特徴とえいるでしょう。

なおBSやCSで受信した電波はそのままではノイズの影響を受けやすいため、アンテナに付けられたコンバーターという部分で一度変換をおこないます。

BSアンテナとCSアンテナは違うもの?

BS放送とCS放送を大きく分ける要素のひとつが「受信する向き」です。BS放送および110度CS放送は電波を発信する人工衛星の角度がほぼ同じであり、アンテナのコンバーターが対応していれば同じ角度で受信できます。一方124度/128度CS放送はBS放送と差が大きく、専用のアンテナを設置することがほとんどです。

ただし近年では電波を集める部分をそれぞれの角度に対応させ、どちらも1つのアンテナで対応する3波対応タイプも使われるようになってきました。

なお2018年12月に始まった4K/8K放送では使用する電波の性質上、古いアンテナでは一部の放送が受信できないこともあるので注意してください。

地デジとBS/CSはアンテナが違うのはなぜ?

電波を受信できない場合の対処方法

ではテレビが正常に受信できなくなった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。今回はアンテナ関係を中心に対処方法を紹介します。

アンテナの角度を確認してみよう

地デジに使われる八木式アンテナやBS・CS放送のパラボラアンテナは特定の方向から来る電波の受信に向く性質をもっています。そのためわずかな角度や方向のずれがテレビに影響を与えている可能性も否定できません。

現在のテレビやチューナーには電波の強さを確認する「受信レベル」の表示機能が備えられています。受信レベルが極端に低くなっていないか、一度確認してみてください。

悪天候はテレビ受信に関係する?

電波は雨や雪などに吸収・反射されるため、大雨や大雪のときはテレビが映らなくなることもあります。とくに衛星放送は使用する周波数が高いぶん、電波も吸収されやすいです。

ただし現在のテレビ放送にはノイズに強い仕組みがあり、多少受信しづらい環境でも影響が少ないという特性があります。逆に一定のレベルを下回ると途端に映像が映らなくなってしまうのです。

悪天候になるとテレビが映らなくなる、もしくは台風の後テレビが映らなくなったなどの問題が起こっているときにも、まずはアンテナの向きを確認してみましょう。角度がずれていたりなど、最適な受信環境になっていないかもしれません。

アンテナの寿命はどのくらい?

テレビ本体に比べると比較的単純な仕組みのアンテナですが、それでも厳しい屋外環境のなかにあるため部品の劣化は進んでいきます。10~15年を目安に一度点検し、正常な状態かを確認しておきましょう。

とくにBSやCSアンテナは受信した電波を変換する「コンバーター」という部分が故障すると、途端に映らなくなってしまいます。必要に応じて交換を検討することも考えてみてください。

まとめ

テレビのアンテナには地デジ用とBS/CS用、さらには地デジ用も4種類ほどに分けられますが、構造は比較的単純です。そのため電波の受信状況がよい地域であれば自分で作った簡易的なアンテナでも地デジは受信できるといえるでしょう。

地デジによりアンテナの選択肢が増え、住宅にあったアンテナを選びやすくなりました。一度アンテナについて見直し、生活スタイルにあったものを見つけたいものですね。

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