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『被害を最小限に抑え命と財産を守る!』初期消火の達人「スプリンクラー設備」のお話

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消防庁が発表した平成26年版消防白書によれば、平成25年に全国で発生した火災の総件数は48,095件、それに伴う死者数の数は1,625人。一日あたりに換算すると毎日130件以上もの火災が起き5人近くの方が亡くなっている計算になります。タバコの火の不始末、コンロの火の消し忘れ、子供の火遊びなど、火災が発生原因は様々ですが、出火原因の第1位はなんと「放火」。私たちの目が行き届かない場所で最も多く火災が発生しているのです。留守中に、或いは就寝中に放火をされては火災そのものは防ぐことは困難ですが、火災による被害を最小限に抑えることは可能です。今回は人の命と財産を火災から守る「消火設備」のお話です。

もし火災を発見したら・・・やるべき3つの対処法

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ところで、もし火災が起きてしまったら・・・皆さんはどのような行動を取るでしょうか。学校や会社、地域などでいくら避難訓練の経験はあっても、火災という非日常的な出来事がいざ目前で起きてしまうと
パニックになってしまう方が多いのが実情です。しかしそのパニックが被害を大きくし、最悪命を落としてしまうことにも繋がります。火災を発見したら
まずは心を冷静に保ち、次の3つのステップで対処するようにしましょう。

第1ステップ【通報】
まずは火災の発生を誰かに知らせることが大事です。「火事だ!」と家族や近所の人に大声を出したり、会社などでは非常ベルを押したりして、火事の発生を周知させましょう。そしてその後、どんな小さな火であっても速やかに119番通報を行いましょう。

第2ステップ【消火】
通報から消防隊が到着するまでは時間が掛かります。出来る範囲内で、消火器や水などによって消火活動、延焼防止活動を行うことも大切です。但し、消えたと思っても、種火が残っている可能性もありますので注意が必要です。因みに消火器も立派な消火設備の一つです。

第3ステップ【避難】
火が小規模であれば自力での消火も可能かもしれませんが、火の勢いが大きかったり、壁や天井に延焼したり、煙が大量に出ているようでしたら、自力での消火は断念し速やかに避難しましょう。

以上3つが、私たちが火災を発見した場合にとるべき大事な心得となります。早期の発見、そして落ち着いて通報、消火、避難をすることがとても重要です。

「初期消火」に優れたスプリンクラー設備

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前章では、もしも火災を発見した場合にどういう行動をとるべきかという対処法をご紹介しました。しかし、いつでも私たち自身が火災を発見出来るとは限りません。冒頭でお話ししたように、出火の原因が放火の場合は、人目がつかない場所に火が放たれるのがほとんどですし、不在時の火災、人が常駐しない場所での火災というものあり得ます。ではそんな火災にはどう対応したらよいのでしょうか。

そこで活躍してくれるのが「スプリンクラー設備」です。スプリンクラー設備とは、火災を早期に感知し、かつ自動的に水を散布して消火するという、消火設備の一つです。立体駐車場などで、天井部分に配管が縦横に配置されているのを見かけて「なんだろう?」と思った方もいるかもしれませんが、それがスプリンクラー設備の施工の一例になります。

特に、スプリンクラー設備の優れている点は

・ 天井から散水するのでより広い範囲を包括できること
・ 消火剤が「水」なので「火」に対して確実であり、かつ人に触れても安全であること

でしょう。他にもいくつか消火設備はありますが、スプリンクラー設備が最も普及しているのは、このような利点があるからと言えます。

私たちが直接気付かずとも、そのスプリンクラー設備が代わって火災を発見し、消火活動まで行ってくれるため、例えば駐車場のように人気のない、目の届かない場所での火災にも早期に対処出来、火災を消火したり、或いは完全に消火は出来なくとも、消防隊が到着するまで延焼を最小限に食い止めることが出来ます。この早期の消火=「初期消火」がしっかり出来るか、これが火災から私たちの大事な命や財産を守るのに大変重要になってくるのです。

スプリンクラー設備の種類

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(株)LIXIL HPより

ところで、一口にスプリンクラー設備と言っても、いくつかの種類があります。その種類と特徴は下記の通りです。

1)湿式スプリンクラー設備
一般的に広く設置されているスプリンクラー設備で、天井高さ10m以下(建物用途が物販等の場合は6m以下)の範囲に設置可能です。熱により感知部が作動すると直ちに放水部(ヘッドと言う)から放水されます。

2)乾式スプリンクラー設備
主に屋外の軒下や寒冷地など配管内の水が凍結する恐れのある建物に用いられています。設置範囲は湿式と同様です。

3)予作動式スプリンクラー設備
ヘッドとは別に火災感知器が設けられていて、火災感知器が作動しないと通水されないので、スプリンクラーのヘッドが破損したり誤作動して散水されるのを避けたいような特別な部屋、電算室や通信機械室などに用いられています。

4)開放型スプリンクラー設備
劇場、倉庫、化学工場など、火災を拡大させる可燃物が存在する建物に用いられています。火災感知器と連動していてその信号により一斉に放水されます。手動操作での起動も可能です。

5)放水型ヘッド等スプリンクラー設備
主に展示場やアトリウムなどの吹き抜け高さが10mを超える部分(建物用途が物販等の場合は6m以下)の範囲に設置が可能です。手動操作での起動も可能です。

スプリンクラー設備の設置は専門家に

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「地震・雷・火事・親父」という言葉が昔からあるように、火災というのは時代を問わず、私たちにとっては大きな恐怖です。今回は、そんな火災から私たちの大事な命や財産を守ってくれる消火設備の一つ「スプリンクラー設備」についてご紹介しました。このスプリンクラー設備については、現在は消防法施行令等によって、その設置基準が細かに定められています。しかしながら、昔建てられた建物だからと言って設置を怠ったり、新築の建物でも基準を守らないような施工をしている人も少なからずいます。これでは、いざという時に初期消火が出来ず、火災を拡大させてしまい、甚大な被害を出すことにも成りかねません。
「自分が所有する建物はスプリンクラー設備を設置する必要はないのだろうか」、「設置しなければならないがどんな種類のものを設置すればいいかわからない」など、スプリンクラー設備への疑問があれば、防災設備業者などの専門家に尋ねるのが一番です。

そんな時は当サイト、『生活110番の『スプリンクラー設備』から、お近くの専門業者を検索して是非相談してみましょう。

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