黒カビは洗剤以外でも掃除して除去できる!黒カビの原因と対策を解説

2021.4.30

黒カビは洗剤以外でも掃除して除去できる!黒カビの原因と対策を解説

少し油断すると汚れがたまり、それを餌とする微生物が寄ってきてしまいます。黒カビもそんな一種。浴室などに発生しやすい黒カビ、しかも予想以上にしぶとく残り、お掃除の大敵になってしまいます。

このように私たちを困らせる黒カビはどうして発生するのでしょうか。今回はそんな黒カビの悩みを、黒カビ自体と向き合いながら解決につなげていきましょう。

黒カビとはどういったカビ?

黒カビを効果的に除去することを考えるために、そもそも黒カビとはどんなものか、正体を知っておくことが大切です。

黒っぽいカビのことを指す

じつは黒カビは「見た目が黒っぽいカビ」のことをまとめて呼ぶ名称です。その中でも「クラドスポリウム(Cladosporium)」という真菌が代表的であり、「クラドスポリウム≒黒カビ」と考えてもよいでしょう。

このクラドスポリウムも100種類以上に分かれていますが、住宅内で見られることが多いのは「クラドスポリウム・クラドスポリオイデス」「クラドスポリウム・スフェロスペルマム」という2種になります。

これらのカビは「カビ毒」と呼ばれる毒素を生成しません。だからといって安全というわけではなく、カビの胞子やカビ自体が空気中に漂うとアレルギーの原因につながってしまいます。アレルギーは「許容量を超えると発症する」と考えられていることから、黒カビのただよう環境は早期のアレルギー発症にもつながってくるのです。

ただこのほかにも黒こうじカビ・すすカビなどがその暗い見た目から、黒カビに分類されることも多いようです。

洗濯機などの場所に発生しやすい

「クラドスポリウム」の胞子は空気中に飛び交うカビ胞子のうち、2割から5割を占めているといわれています。そのため「どこにでも現れる」といえるものの、水分を好むという特徴から水回りに発生することが多いのです。

一方黒こうじカビは食品などに、エクソフィアラ属・フィアロフォラ属に分類されるカビは洗濯機の洗浄層の裏など熱と湿気がたまりやすい部分に現れやすいとされています。

黒カビは定着できるものに発生する

黒カビは定着するものに対して根を張ります。と聞くと根を張れなさそうな金属は苦手に感じるかもしれません。しかし黒カビのなかには金属を溶かす能力を持っている種類があるため、金属に対しても黒カビが生えるおそれは捨てきれません。

黒カビとほかのカビとの違い

では黒カビ(クラドスポリウム)とほかのカビにはどのような違いがあるのでしょうか。

赤カビ

赤カビは主に土壌に生息する「フザリウム」という真菌で、麦などの植物に寄生することが多いです。赤カビはカビ毒を作るため、赤カビが寄生した麦を食べると中毒症状を起こすといわれています。

なお「浴室などで見られる赤い汚れのようなもの」は正確には赤カビではなく、「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌の一種です。

青カビ

青~緑色の色をしたカビが青カビで、正式には「ペニシリウム」と呼ばれます。チーズの生産などに使われる種類、抗生物質「ペニシリン」を作るなど人間の生活にとって欠かせない役割を果たす種がいる一方、カビ毒を生成する種類もいるのです。このことから青カビは「生と死」両方に関わっているともいえるのではないでしょうか。

麹(こうじ)カビ

日本酒やしょう油・味噌など日本の多くの発酵食品とかかわっているのがこうじカビです。正式には「アルペルギルス(Aspergillus)」と呼ばれているほか、黒カビと間違われやすい黒こうじカビは沖縄で泡盛づくりに使われることから、「Aspergillus luchuensis」と琉球(りゅうきゅう)王国にちなんだ学名が名付けられています。

ただこうじカビの中にもカビ毒を生成する種類があることから、「人間にとって必ずしも安全なカビ」とは言い切れないようです。

すすカビ

学名「アルテルナリア(Alternaria)」と呼ばれるカビの一種です。赤カビと同じく植物に寄生することが多いカビですが、衣服に定着することもあります。見た目が黒いことから、黒カビと同じものと勘違いされることも多いようです。

衣服に定着してしまった場合は繊維の奥まで入り込んでしまうため、取り除くのは難しくなります。

      黒カビの発生条件とは。塩素系漂白剤を使う時の注意

黒カビを除去する方法

ここまでは黒カビの特徴を見てきました。それを踏まえて、黒カビを落とす方法を確認してみましょう。なおカビ取りで使うカビ取り剤・漂白剤は皮膚などのたんぱく質を浸食するため、ゴム手袋・長袖・色落ちしてもいいエプロン・マスクなどでガードすることも忘れないようにしてください。

カビ取り洗剤を使って除去する

まずはカビ取り剤を使って黒カビを除去する基本の方法を確認します。

【あらかじめカビ取りする箇所を掃除する】

カビ取り剤の効果を高めるには皮脂汚れやせっけん汚れをあらかじめ取っておかなければなりません。そのため浴室用洗剤など状況に応じた洗剤を利用し、掃除をおこなっておきましょう。ただしカビを奥へと押し込んでしまう、強いこすり洗いは厳禁です。

【窓を開けておく】

カビ取り剤をはじめとする塩素系漂白剤は強いにおいがするほか、人体に取って有害なガスが発生するおそれもあります。そのため空気が留まらないよう、窓を開けたり換気扇を回したりなどの工夫が必要になります。

【カビ取りをしたい場所にスプレーする】

十分に泡だつよう、カビ取り箇所から約10cmの距離を置いてスプレーをしてください(ジェルタイプの場合はカビ取り箇所に塗る)。なお自分の目線より高い部分で作業するのは、飛び散った洗剤が目に入るおそれもあり危険です。そのような場所にカビが生えている場合はぞうきんなど不用な布にスプレーしたものをカビ取りしたい場所へぬぐうようにして、カビ取り剤を移してください。

【時間を置く】

5分くらいの時間を置きカビ取り剤を十分に浸透させましょう。カビが根強いと考えられる場所に関して時間を加算して放置しても大丈夫ですが、漂白剤はパッキンなどにも少なからずダメージを与えます。何日もそのまま放置するのはやめ、数時間までにとどめるのが無難です。

【充分に洗い流す】

カビ取り剤を水で十分に洗い流し、カビの汚れとともに落としましょう。洗い流した後はそのままカビが生えないよう、十分に乾燥させてください。

【流れ落ちてしまう場所はラップで固定】

天井や高さ方向のパッキンに黒カビが生えた場合、そのままではカビ取り剤が流れ落ちてしまうおそれがあります。こうした箇所はラップを貼り付け、カビ取り剤が流れ出さないように工夫することが確実にカビを除去するためのポイントです。

漂白剤を使って除去する

実は専用のカビ取り洗剤を使わなくても黒カビを落とす方法があります。最大のポイントは漂白剤をその場で、奥まで浸透させること。カビ取り剤では泡が(またはジェル状にすることにより)その役割を果たしますが、代わりに粘度が期待でき、しかも最終的に水で流しやすい片栗粉を利用するのです。

【必要なもの】

・片栗粉
・塩素系漂白剤(次亜塩素酸入り・液体タイプのもの)

混ぜ合わせるための容器やスプーンもできれば安全のために専用、もしくは使い捨てのものを用意しましょう。また漂白剤の原液は作用が強いため、ゴム手袋なども着用して手荒れしないようにしてください。

【手順】

・片栗粉と塩素系漂白剤を1:1で混ぜ合わせる ※水は加えない
・ペースト状になったらカビの発生部分へ盛るように載せる
・漂白剤を浸透させるため、5分ほど放置する
・シャワーなどを使い、洗い流す

漂白剤を薄めずそのまま塗ることになるため、市販のカビ取り剤より強い効果が得られることも。そのぶん時間は最低限に抑えることを意識してください。

お湯だけでは完全に除去できない

黒カビは50度以上の温度で死滅するといわれています。そのため熱湯を継続してカビの部分にかければ死滅させることは可能です。さっとかけただけでは奥まで熱を伝えることができないため、カビの根まで熱が届くよう1か所当たり2分近く熱湯をかけ、十分に熱をいきわたらせましょう。

ただしこの方法はその場でカビを死滅させるだけで、黒カビと呼ばれる理由である「黒ずみ」までを除去できるわけではありません。カビ取り剤や片栗粉+塩素系漂白剤で黒ずみを除去する別途工程が必要になることから、日ごろの予防策として利用しましょう。

      黒カビの落とし方【準備編】

黒カビを予防するにはどうすればいい?

黒カビの胞子は空気中に飛び交っていることから、カビ発生自体を完全に防ぐのは不可能といってもよいでしょう。しかし工夫次第で黒カビの生育を抑えることは可能です。

カビの生育条件を確認

多くのカビの生育に適しているといわれる条件は次の通りです。

・温度:25~30度が最適の温度、40度以上でも死滅する種類は多い
・湿度:80%以上で生育しやすい(湿度が低くても生育するカビは存在)
・水分量:カビ自体に60%以上の水分が保てる量
・酸性度:やや酸性を好み、塩基性(アルカリ性)のなかでは生きられない

これらの条件のうち、カビ対策をしやすいのが「温度」です。

熱湯で予防する

黒カビは基本的に熱に弱いため、浴室などでは50度以上の熱湯をかけることで発生初期にカビを死滅させ生長を抑えることにつながります。カビ自体を定着させないことは困難なため、初期段階で抑える意識を持っておきましょう。

そして熱湯をかけた後はしっかりと換気し、水分を残さないよう乾燥させることも重要です。

日ごろから汚れは掃除しておこう!

汚れは黒カビにとっては栄養源になります。栄養源がなくても黒カビ自体の生育はできますが、汚れがあればそのぶん生育が加速されてしまうのです。生育が加速してしまえばあっという間にカビは奥深くまで根を張り、取り除くことが困難になってしまいます。

このため日ごろからしっかりと掃除をおこない、カビの栄養となる汚れは事前に取り除いておきましょう。

      黒カビの落とし方【ちょっとしたコツとポイント】

まとめ

黒カビをはじめとするカビは目に見える状態でなくても、どこかに潜んでいることが多いです。それゆえ「これだけやっておけば済む予防法」というものはなく、日ごろからこまめに掃除しつつ、予防策を取ることが大切です。また黒ずみなどが目立つようになったら漂白剤などを使い、奥まで根付いたカビを根こそぎ除去することが重要になります。

黒カビ自体は毒素を作らないものの、胞子や黒カビの破片などはアレルギーなどの原因物質です。できるだけ黒カビが繁殖する環境をなくし、安心した生活を送れるように対策をしっかりとしておきましょう。

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