「天井裏や床下からパタパタと足音がする」「部屋の中でおしっこの臭いがする……」こんなときは、ねずみが家に住みついて排泄物をあちこちに残しているかもしれません。
ねずみの尿は刺激臭が強いことが特徴で、さらに病原菌も多く含まれており大変危険です。住みついているともなれば、排泄物だけでなく騒音や物をかじるなどの様々な被害が出る危険性もあります。
この記事では、ねずみの排泄物や死骸に潜む危険性とそれらの処理方法、家に侵入したねずみの駆除方法についてご紹介します。ねずみの気配を感じたり姿を見かけたりする方はぜひ対策の参考にしてください。
目次
悪臭の原因はねずみの排泄物や死骸!
きちんと掃除をしているにも関わらず部屋の中で嫌な臭いがする場合は、ねずみの糞尿や死骸による悪臭かもしれません。適切な処理をおこなうためにも、まずは特徴を把握しておきましょう。
排泄物の特徴
ねずみの尿は人間と同じような褐色をしていて、大変な刺激臭を発します。トイレで臭うような刺激臭がする場合は、壁や天井にシミが残っている可能性があるので、それを探してどこの処理が必要なのかを特定しましょう。
ただし、ねずみは移動しながら尿をするので、シミが残るのが一ヶ所とは限りません。ねずみの尿には蛍光物質が含まれているので、ブラックライトをお持ちの方は暗所でそれをかざして探してみるとよいでしょう。
また、黒っぽい小さなかたまりが落ちている場合は、ねずみの糞かもしれません。糞はねずみの種類によって大きさや形が異なります。
クマネズミ…6mm~10mm、細長くて不揃いな形
ハツカネズミ…4mm~7mm、端がとがっている
ねずみの種類が特定できれば駆除の際に役立つことがあるので、写真を撮るなどして大きさや形がわかるように記録を残してから処理しましょう。
ただし、ねずみの排泄物は多くの菌を含んでいます。見つけても素手で触れることはないように注意してください。
糞尿がないなら死骸による悪臭の場合も
悪臭はするのに壁や天井にシミもなく、糞のようなものも見つからないというときは、知らない間に家に侵入したねずみの死骸がどこかに放置されているかもしれません。天井裏や床下など、ねずみが潜んでいそうな場所を探して死骸の駆除をおこないましょう。
ただし、汚れた狭い場所を自分で調査するのは危険なことです。場合によっては見つけられないこともあるでしょう。死骸に害虫が集まっているおそれもあります。自分で処理するのが難しいと感じる場合は、業者に相談したほうがよいでしょう。
排泄物や死骸の処理方法
ねずみの排泄物や死骸の処理は、絶対に素手でおこなってはいけません。ねずみは人体に影響のあるさまざまな病原菌を持っています。直接触れれば病気に感染するおそれがあるので、必ずゴム手袋を着用してから処理を始めましょう。
また、病原菌は空気中に舞ってホコリなどに移るおそれがあります。それらを吸い込んでしまうことがないように、マスクも忘れずに着用してください。
そして、以下の流れにしたがって処理をおこなったあとは、処理の際に使用したマスクや手袋や布切れなどをすべてまとめて捨てることも忘れないようにしましょう。
排泄物処理の流れ
(2)周囲の掃除
(3)消毒
※糞が見つからず尿だけの場合は、(3)の消毒をおこなえば大丈夫です。
(1)糞の処理
ねずみの糞を処理するときは、ティシュペーパーを重ねたものや捨ててもよい布などを使用してください。掃除機を使えば早いのではないかと思うかもしれませんが、その場合は掃除機に菌が付着することになります。さらに、掃除機の排気によって菌が空気中にばらまかれることになり病気の感染リスクが高まるおそれもあるのです。そういったリスクを避けるためにも糞とともに捨ててもよいものを使って処理しましょう。
(2)周囲の掃除
周囲の掃除は捨ててもよい布などを濡らしておこないます。糞が落ちている場所のみに菌があるとは限りません。周囲も消毒の際に使用するスプレーで菌が舞うことがないように、水拭きしておくのがよいとされています。
(3)消毒
排泄物があった場所とその周囲をしっかりと消毒・除菌するようにしましょう。理想はエタノールやアルコールでの消毒ですが、もしも持っていない場合は浴室やトイレ用の洗剤や除菌スプレーを使用してもかまいません。捨ててもよい雑巾、布の切れ端、ウェットシート、キッチンペーパーを濡らしたものを使って消毒してください。
死骸処理の流れ
(2)死骸の処理
(3)消毒
(1)死骸の周りの害虫の処理
ねずみの死骸を処理する際は、まず死骸に集まる害虫を処理することが大切です。ねずみの死骸にはダニなどが集まることがあるのですが、吸血性のダニの場合はねずみの吸血をしたのちに人の吸血をすることがあります。すると、その吸血の際にねずみの菌が人に感染することになるので、危険を減らすためにあらかじめ害虫の処理をしておく必要があるのです
(2)死骸の処理
死骸は新聞紙などに包んでから袋に入れ、固く口を閉めて密閉した状態で可燃ゴミとして処分しましょう。
(3)消毒
死骸のあった場所とその周辺を消毒します。こちらも理想的なのはエタノールやアルコールでの消毒ですが、家にない場合は浴室やトイレ用の洗剤や除菌スプレーなどを使用しましょう。消毒の作業は捨ててもよい布やキッチンペーパーなどを使っておこなってください。
ねずみの排泄物や死骸が媒介する病気
部屋にただよう悪臭を放置することはないかもしれませんが、ご紹介した手順を見て面倒だと感じた方はいるかもしれません。そこで、処理が遅れるリスクを知って、早めに処理をおこなう必要性を解説します。
先述したように、ねずみの排泄物や死骸には多くの菌が含まれていて、レプトスピラ菌やサルモネラ菌、ハンタウイルスといった人間に感染して病気を引き起こす危険性のある菌も存在します。
これらの病原菌は腎症候性出血熱・ハンタウイルス肺症候群・食中毒・腸チフス・パラチフス・腎不全・髄膜炎などさまざまな病気の原因になるのです。ここでは、代表的な3つの病気についてご紹介します。
ねずみの尿に含まれるレプトスピラ菌という病原菌によって引き起こされる病気です。悪寒、発熱、頭痛、倦怠感、眼の充血、筋肉痛、腰痛などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。また、重度のものはワイル病とも呼ばれます。
人間だけでなく、家畜やペットにも感染する人獣共通感染の一つです。森の中で水たまりの水を飲んだ犬がレプトスピラ症になったこともあるようなので、もしも自宅でねずみの尿と思わしきものを発見した場合は速やかに掃除・消毒をしましょう。
ねずみの糞尿が駆除に役立つ!?
ねずみの排泄物は汚れや悪臭だけでなく、病気の原因になる危険なものです。しかし、排泄物が残っていることで、駆除の際に役立つこともあるのです。
夜行性のねずみを昼間に見つけ出すのは難しいことですが、ねずみの行動している場所がわからなければ駆除することはできません。そこで、ラットサインと呼ばれるねずみの痕跡を探すことで、ねずみの通り道を見つけ出すことができるのです。
ねずみの排泄物はそのラットサインのひとつで、糞は形や大きさがねずみの種類を特定する手掛かりになり、尿はねずみの通り道を探すヒントになります。先述したように、ねずみの尿には蛍光物質が含まれており、暗所でブラックライトを使用すると新しい尿は青白く、古い尿は黄白に光るのです。おおまかにですが、通った時期を知ることもできるので、覚えておくとよいでしょう。
ラットサインは、糞尿のほかにねずみの足跡やねずみが通った場所に残る黒ずみなどの汚れがあります。どれも大きな痕跡ではない可能性が高いので、見逃さないようにしっかり調査しましょう。
ねずみの通り道が見つかったら駆除作業をはじめるのですが、ねずみ駆除には複数の方法があります。安全性や確実性など重視するポイントは人によって違うので、これからご紹介する方法のなかからご自身がよいと思う方法を選択してください。
ねずみの嫌いな臭いや音を使った対策方法
まずはねずみの苦手なものを使ってねずみを家から追い出す方法についてご紹介します。
・臭い
ねずみはハーブなどのスーっとする香りやユリやワサビなどの強い香りを嫌がります。嗅覚が発達しているねずみにとって香りの強いものは刺激になるのです。
上記のような香りのする忌避剤を設置したりアロマをたいたり、またはハーブ系のスプレーをまくなどするとねずみが寄り付かなくなるでしょう。
・音
ねずみは目があまりよくない代わりに、嗅覚だけでなく聴覚も発達しています。そのため、人間よりもより広域の周波数の音を聞きとることができるのです。
そして、ネコやワシなどの天敵の鳴き声に近い周波数24~45kHzの音を苦手としています。
上記の周波数の超音波を発するグッズなどを設置しておくとよいでしょう。
臭いや音による忌避効果でねずみを退治する方法は、薬剤などを使用しないため簡単かつ安全に取り入れることができるのがメリットです。しかし、ねずみは学習能力の高い生き物なので、次第に臭いや音に慣れて戻ってきてしまうおそれがあります。
そのため、警戒して追払ったすきに侵入口を見つけ出して隙間をふさぐなどの対策を並行しておこなわないと、被害が再発するかもしれません。徹底的に駆除したいという場合は、このあとにご紹介する駆除方法をおこなうことをおすすめします。
罠や毒餌で駆除する方法
家から追い出すだけでなく徹底的にねずみを駆除したいという方は、罠や毒餌を使った方法で駆除しましょう。
・罠
ねずみを捕らえる罠は、バネ式のものやカゴ式のもの、粘着シートなどがあります。
バネ式・カゴ式のものは好物を使ってねずみをおびき寄せて捕獲し、粘着シートはねずみの通り道に敷き詰めて捕獲します。
共通しているのは、捕獲後の処理を自分でおこなうということです。自分で処理するのが嫌という場合は、別の方法で駆除しましょう。
・毒餌
毒餌は、即効性のあるものと何度も食べさせなくてはならない蓄毒性のものがあります。
高い効果を発揮するねずみの種類なども異なるので、成分をよく確認して購入しましょう。形状も粉状のものや袋に入ったもの、ペットフードのような固形のものまでさまざまです。使用する場所などに応じて適したものを選びましょう。
また、最近は毒に耐性のあるスーパーラットと呼ばれるねずみが増えています。毒性の低いものでは効果が出ないこともあるので、どれが効くかわからないというときは、毒性の強いものを選択するのがおすすめです。
ねずみの住みにくい環境づくりで予防
ねずみ対策で大切なことは、今いるねずみを駆除することと今後ねずみを寄せ付けないことです。今被害を及ぼしているねずみを駆除することができたら、そのあとはねずみにとって住みにくく居心地の悪い環境づくりをしましょう。ポイントは2点です。以下のことに注意して対策をしてみましょう。
・こまめな掃除
あちこちにものが散らばっていたり掃除が行き届いていなかったりする家は、ねずみが隠れる場所や人目を避けて移動する通路がたくさんある状態です。住処を整える材料を与えてしまっていることも考えられるので、こまめに掃除をして整理された清潔な空間を保ちましょう。
・食材の保管場所
ねずみは小柄な体ですが、エネルギー消費の大きい生き物です。そのうえ、体に脂肪をため込めないため、エネルギーが必要になったら人間のようにその都度食事を摂らなければなりません。食材がフタや扉のないところに置きっぱなしになっていたり、食べ残しをしまい忘れたりすることがないよう、食べ物の保管場所には十分注意しましょう。
ねずみが人の家に住みつくのは、安全で食料に困らないことが大きな要因です。このねずみにとってのメリットさえなくしてしまえば、住みつかれることはないでしょう。
悪臭除去やねずみ駆除がうまくいかないときは業者に相談
ねずみの臭い対策や駆除は、道具があれば誰でも挑戦することができます。しかし、ねずみの習性などを理解しておかないと、対策が不十分で効果が得られないということが考えられます。悪臭がこびりついてしまって、なかなか臭いが消えないということもあるでしょう。
自分でうまく対処できない場合は、業者に相談することも大切です。プロのねずみ駆除業者は、駆除から被害の再発防止までねずみの種類や習性を考慮して徹底的におこないます。排泄物処理も依頼しておけば、病気に感染するリスクもないでしょう。
費用が心配な方は見積りをとって金額を確認してから依頼することも可能です。早く確実にねずみ駆除や臭い対策をしたいという方は、まず一度相談してみましょう。
まとめ
ねずみの糞尿には病原菌が多く、人間に感染する危険性もあります。なるべく速やかに掃除・消毒をおこなう必要があります。しかし、糞尿からねずみの居場所や種類が特定できることもあるため、ラットサインや糞尿の特徴は覚えておいて駆除に役立てましょう。
ねずみは病気の媒介者となるだけでなく、家財をかじってしまったり、騒音被害を出したりといったように様々な被害をもたらす害獣です。もしも身近にねずみの存在を感じたら、なるべく早く駆除するようにしましょう。
駆除の方法はねずみの苦手なものを使って追い出す方法から毒餌などで退治する方法までさまざまです。なかには自分で排泄物の処理やねずみ駆除をおこなうのは不安という方もいるでしょう。その場合は、無理に解決しようとせず、専門業者に相談して徹底的な駆除を依頼することをおすすめします。
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