コウモリよけに超音波は有効?周波数やぶつからずに飛ぶ原理も解説

2021.4.30

コウモリよけに超音波は有効?周波数やぶつからずに飛ぶ原理も解説

「コウモリは超音波を使って飛行する」というのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ご自宅に住み着いたコウモリを、超音波を使って撃退したいと考えている方もいるかもしれませんね。

超音波」とは人間の耳では聞こえないほど高い音のことです。

当記事では「コウモリがどのように超音波を利用しているのか」「超音波を使ってコウモリを撃退することはできるのか」を解説しています。

コウモリと超音波について知って、効果的なコウモリ対策をおこないましょう。

コウモリは超音波でぶつかることを回避している!

コウモリには“エコーロケーション”(反響定位)という能力をもった種がいます。エコーロケーションとは、超音波の反響を使って以下のような情報を知ることです。

・対象物までの距離
・対象物のある方向
・対象物との速度差
・対象物の動き
・対象物の大きさ

コウモリは、自分が発信した超音波が返ってくるまでの時間で対象物までの距離を、反射された角度から対象物のある方向を導き出すことができます。

対象物が動いている場合は、“ドップラー効果”(観測者や対象物が動くと観測される周波数が変わる現象)による周波数の変化を認識し、対象物との速度差や動きを知ることも可能です。また、超音波の大小で対象物の大きさもわかります。

このように、多くのコウモリは超音波を使うことで暗闇でもぶつかることなく自由に飛び回れるのです。

ただし、すべてのコウモリが超音波を出すわけではありません。コウモリには目が見えている種類目がほとんど見えていない種類がいます。

「オオコウモリ」と呼ばれる大型のコウモリの多くは昼行性で視力が発達しています。一方、「ココウモリ」と呼ばれる小型のコウモリの多くは夜行性で、ほとんど視力がありません。日本の住宅に住み着く「アブラコウモリ」もココウモリの一種で、超音波を使って周囲の状況を判断しています。

コウモリの超音波はどこから出るの?仕組みを解説

コウモリの超音波の発信場所は、コウモリの種類によって口からの場合と鼻からの場合があります。

口から発信される場合は、咽頭(いんとう)を空気が通るときに発信されます。人間が声の高低を変えるのと同じように、声帯を調節することで周波数を変えることができるのです。

鼻から発信される場合は、鼻葉(びよう)という鼻の周りの皮膚と軟骨からできたひだから、超音波をビームのように細くして発信します。鼻から発信する種は少数で、ほとんどのコウモリは口からの発信です。

超音波の受信は耳でおこないます。耳のつくりは人間と基本的に変わりませんが、非常に優れた聴力をもっているために超音波を受信することができるのです。

探知機で超音波の周波数を検出すればコウモリを見つけられる!

「夜中に天井裏から音がするけどコウモリかな?」と、姿の見えない気配に不安を募らせている方もいらっしゃるかもしれません。そんなときに役立つのが、コウモリ探知機です。コウモリの発生させる周波数を検知することで、隠れたコウモリも見つけることができます。

コウモリが出す周波数は何ヘルツ?

種類にもよりますが、コウモリは20kHz(キロヘルツ)~100kHzの周波数を利用しているといわれています。日本に生息するコウモリの一例をご紹介します。

コウモリの種類 周波数の範囲
アブラコウモリ 30~50 kHz
キクガシラコウモリ 65~70 kHz
ヒナコウモリ 20~40 kHz

ちなみに、一般的に人間の耳で聞くことのできる周波数は20 Hz(低音)~20 kHz(高音)程度です。

超音波発生装置はコウモリよけにならない!?

コウモリが超音波を発信・受信する習性を駆除に利用することはできるのでしょうか。超音波を利用して周りの情報を得ているのならば、人為的に超音波を発生させたら混乱してくれそうですよね。

実際、「コウモリよけ」をうたった超音波発生器は多数市販されています。コウモリが利用している周波数帯の超音波を発生させることで、一時的に寄せ付けなくすることが可能なようです。

ただし、長期間使用しているとコウモリが超音波に慣れてしまい、効果を示さなくなってしまうでしょう。また、超音波はまっすぐ進む性質があるため、飛びまわるコウモリにピンポイントで当てることは困難です。

超音波発生装置のほかにも、「コウモリ撃退法」としてよく目にするもののなかには効果の疑わしい方法があるので注意してください。

CDやDVD、アルミホイル

「CDやDVDをつるしておくとコウモリの超音波を邪魔することができる」などという情報がありますが、残念ながら信ぴょう性は薄いです。

「光を反射させることで視覚の邪魔をする」という説も見かけますが、コウモリを遠ざけることができたとしてもやはり一時的なものでしょう。アルミホイルを切ってつるしておく方法も同様です。

強力磁石

「磁石が出す磁気がコウモリの音波を狂わせる」というものですが、磁気と音波はまったくの別物です。磁石がコウモリの超音波に作用することはないでしょう。

ラジオ

「ラジオで使われる周波数がコウモリの超音波に影響を与える」という説があります。高い周波数を使用している放送局を選んで流すことで、コウモリを追い出すことができるかもしれません。電源を入れたラジオを、コウモリの寄り付きやすい場所に設置してみてください。

ただし、この方法も超音波発生装置と同じで一時的な効果しか見込めないでしょう。

超音波を使ってもコウモリがいなくならないときは業者へ

コウモリは鳥獣保護法によって無許可の捕獲や殺傷が禁止されている生き物です。そのため、超音波を使って傷つけることなく撃退したいと考える方も多いでしょう。

しかし、前章でご説明したとおり、コウモリに効果があるとされる超音波グッズであっても、コウモリが慣れてしまうことが考えられます。また、コウモリが使用する周波数に合致する超音波を、ねらいを定めて当てなければなりません。超音波だけでコウモリを撃退するというのは、容易ではないことがおわかりいただけるのではないでしょうか。

また、コウモリによる被害を受けたときには、巣があった場所の清掃や消毒も必要となります。コウモリにはダニやノミといった虫が寄生していることも多いうえ、乾燥したコウモリの糞を吸い込むと健康面に悪影響が出るおそれもあるのです。

こうした衛生面への対応や駆除後の再来防止策も含め、コウモリ被害はプロの業者に依頼することをおすすめします。

まとめ

多くのコウモリは口から超音波を発信し、耳から受信することで周囲の情報を得ています。コウモリは超音波を使うことによって、暗闇でもぶつからずに飛びまわることができるのです。

コウモリの発する超音波は20~100kHzです。合致する周波数の超音波を人工的に発生させることで撃退するというグッズも販売されています。

しかし、コウモリが超音波に慣れてしまったり、一度追い出せてもしばらくすると戻ってきてしまったりということも少なくありません。

また、駆除後の清掃や再来を防ぐ対策などは、なかなかわずらわしいものです。もしもコウモリの被害にお困りなら、コウモリ対策の専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。

コウモリはすぐさま撃退!

お電話1本で即日対応します

※対応エリアや加盟店によって変わります

コウモリは繁殖力が高いので、被害を発見したらすぐにプロに相談することをおすすめします。駆除だけでなく消毒や侵入経路塞ぎもしてくれます!

『生活110番』では、
お住いの地域で人気のプロを探せます

天井裏や雨戸の内部、ダクト内部など、どこでも駆除します!

コウモリ駆除 22,000円~
コウモリ駆除のおすすめ業者を見る

関連記事カテゴリ一覧

コウモリ駆除の記事アクセスランキング

コウモリ駆除の最新記事

カテゴリ別記事⼀覧