イタチとひとくくりにいっても、大きくわけると二種類に分かれるのをご存じでしょうか。
イタチは「ニホンイタチ」と「チョウセンイタチ」の二種類がいます、この二種類はすぐ見ただけでは判別は難しいですが、よく見ると細かい違いがあります。
また、ニホンイタチは実は今非常に珍しい存在にもなっていて、そこにはチョウセンイタチも深く関わっているのです。
今回はニホンイタチの生態などをご紹介します。
目次
ニホンイタチの生態
体長
オスは27cmから37cm、メスは16cmから25cmと、オスの方がメスより一回り大きいです。
体重
オスは290gから650g、メスは115gから175gになります。
特徴
ニホンイタチは冬眠をせず一年中活動します、夜行性というわけではなく、昼夜問わず活動をします。
また、手足の指の間には水かきがあり泳ぎが得意です。
雑食でねずみ・鳥・カエルなどの両生類・魚・ザリガニ・昆虫・ミミズなどを食べるほかヤマブドウの実を食べることもあります。
また、肛門付近にある「臭腺」と呼ばれる器官から悪臭を放ちます。
これは「いたちの最後っ屁」とされるものだと言われています。
レッドリスト指定されるニホンイタチ
ニホンイタチははっきりとした原因はわかりませんが、同じイタチであるチョウセンイタチの侵略によってその数を減らしたといわれています。
チョウセンイタチは1940年代に朝鮮半島から船に紛れ込んだ個体が九州に侵入したとされています。それだけでなく、ねずみなどの害獣を駆除するために持ち込まれた経緯もあり数を増やしていきました。
チョウセンイタチはニホンイタチよりも一回り体が大きいため、今まで住んでいたニホンイタチを追いやっていきました。
そのため、今ニホンイタチは数が大幅に減りレッドリストに登録されています。
チョウセンイタチとの違い
ニホンイタチとチョウセンイタチは非常に姿が似ており、一目見ただけではどちらがどちらなのかわかりません。
ここでは、共通している部分も紹介しながら微妙な違いも見ていきます。
ニホンイタチとチョウセンイタチの共通点
・食性
ニホンイタチとチョウセンイタチは同じ雑食です、自分より大きな体格の獲物も食べるため、飼っているウサギやニワトリなどが捕食されることもあります。
・天敵
ニホンイタチとチョウセンイタチはタカ・フクロウなどの猛禽類や、自分より体格の大きいキツネ・野良猫を天敵とします。
・繁殖時期
チョウセンイタチもニホンイタチも3月から5月ごろの年一回に繁殖をします。
九州などの一部暖かいところでは年二回繁殖する例もあります。
一度に1頭から10頭(平均4~5頭ほど)の子どもを産みます。
・体長
先述したニホンイタチよりチョウセンイタチのほうが2cmほど大きいだけで体長に大きな差はありません。
小柄なチョウセンイタチのオスが、ニホンイタチのメスに間違われることもあるようです。
ニホンイタチとチョウセンイタチの相違点
・しっぽ
最大の違いともいえるのがこのしっぽです。
チョウセンイタチのほうがニホンイタチよりも尾が長く、21cmほどの長さになります。
・体重
先述したように体長に大きな差はないですが体重はチョウセンイタチのほうがニホンイタチの2倍あります。
チョウセンイタチの大きなものだと850gほどの大きさになります。
・体色
微妙な色の違いがあります。ニホンイタチは茶褐色や暗褐色で、チョウセンイタチは黄褐色です。つまり、黄色みがかかっているほうがチョウセンイタチとなります。
また、ニホンイタチは目の周辺に灰色の毛があります。
そのほかにもチョウセンイタチとニホンイタチは染色体や遺伝子がまったく異なります。
commons.wikimedia.org
むやみに駆除せずプロに依頼を
チョウセンイタチやニホンイタチは住居に侵入すると以下のような被害をもたらす可能性があります。
・排泄物による悪臭など
イタチが天井裏などに住み着くと糞尿が天井裏から染みだし、悪臭や感染症・食中毒の原因になります。
・騒音
イタチが天井を走りまわることにより騒音が発生します。
・食害
家畜のニワトリやペットのウサギが食べられる危険性があります。
また、生ごみやペットフードを荒らすことがあります。
・断熱材などの破損
断熱材を巣材にして食いちぎることがあります。
・ダニやノミの媒介
イタチに寄生していたダニやノミを人間やペットに移され、病気やアレルギーの原因になることがあります。
このような被害が発生する前にもイタチが住居に侵入をした場合はただちに対策をしなければなりません。
しかし、チョウセンイタチもニホンイタチも「鳥獣保護管理法」によってむやみに捕獲・処分をすると罰せられてしまいます。
イタチを個人で捕獲する際自治体へ許可をとる必要があります。
ですが、害獣駆除のプロに依頼すればそのような自治体への手続きを請け負ってくれるところもあるうえ、罠や防除をする手間も省けるため一石二鳥です。
イタチの被害があった場合は害獣駆除のプロに依頼するのが無難でしょう。
まとめ
ニホンイタチはチョウセンイタチの侵略によりその数を減らしていますが、住む場所じたいも開発で少なくなり民家に出没することがあります。
もし見つけた際は、むやみに捕獲をせず被害がない場合はそっとしておきましょう。
被害がでた場合は先述したように害獣駆除のプロへ依頼をしましょう。
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