水道の元栓を閉めて水漏れをストップ！場所・止め方・交換方法まとめ

水道の元栓は水道の水の流れを止めるために必要なものです。例えば、水道工事を行ったり、水道トラブルが起こった際はこの元栓を閉めることで水道から水が漏れることを防ぎます。
水道の水の流れを操作する行為以外ではあまり使う機会がない元栓。ですが、いざというときに、水道の元栓が開かない、閉まらないといったトラブルが起こってしまったら大変ですよね。

このコラムでは水道の元栓のさまざまなトラブルや解決法などに焦点をあてますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

水の流れを調整する「元栓」について

家にある蛇口はハンドルをひねれば水がでてきますが、水の流れを制御できるのは蛇口だけではありません。もともとの家で使う水の流れは、水道が使える家のほとんどに取り付けられている「元栓」が制御しています。

水道工事にも欠かせない！元栓の役割

家で使う水の流れは大きくわけてふたつの水の流れが関係してきます。それが「給水」と「排水」です。

給水は家の中に入ってくる水のこと。各家と各水道局に繋がる配水管から水が流れ、各家庭に水が運ばれ、元栓と水道メーターを経由して家の中へ水道水として供給されます。

対して排水は家で使われた不用な水を排水管に流すこと。つまり、出ていく水のことをいいます。この排水された水は排水管に行き、下水道へ流れます。下水道へ運ばれた水は今度は下水処理場まで運ばれ、きれいな水にしてから川などへ戻すのです。
（下水道が整備されていない地域は各家庭に設置された「浄化槽」で処理し、排水として扱います。）

元栓の役割は家の中に給水される水の流れを止めたり、促したりすることにあります。

場所ごとに調整できるのは止水栓

元栓を閉めれば家の中の水の流れを制御できます。ですが、家の中の水の流れを一気に止めてしまうと不便なもの。とくに家のごく一部でしか水道トラブルが起こっていないのに、家の中の水の流れを止めてしまえば、家の中でまったく水を使うことができなくなってしまうでしょう。

ですので、住宅によってはトイレや浴室など、水を使える場所ごとに止水栓を設置しているところもあり、その場所の止水栓だけを閉めれば、その場所だけ水の流れを止めることができるのです。
例えば、トイレに付いている止水栓を閉めれば、トイレの水の流れだけ止めることができます。

バルブ式の多い元栓は3種類の形状がある

元栓と一口に表現してもさまざまな形状、種類があります。形状によっては開け方や閉め方に違いがありますので把握しておくといいでしょう。

ドライバー式
開け閉めはドライバーを使います。

バルブ式
蛇口に付いているハンドルのような形状をしています。

内ネジ式
コインなどを使って元栓の開け閉めをおこないます。

建物によって異なる元栓の場所

元栓はどういったものなのかについてご紹介してきましたが、家の水の流れを止めたい！そう思ったときに元栓の場所がわからないといったことはありませんか。
元栓は住宅によって設置される場所に違いがあります。

一戸建ての住宅の場合

一戸建てに限らず、水道の元栓は水道メーターボックスと呼ばれるもののなかにあります。一戸建ての住宅の場合は屋外に設置されていることが多く、プラスチック、または鉄製のふたが地面などに付いているので、確認してみるといいでしょう。

また、地域によりますが、水道メーターの設置基準というものが設けられている場合があります。詳しく知りたい人は自分が住まわれている地域を管轄する役所、もしくは水道局へ確認してみるといいでしょう。

ちなみに多くの場合は、検針員が検針（使用量の確認）を行いやすい場所である、敷地の間口の近くに設置されているそうです。

マンションなどの集合住宅の場合

マンションなどの集合住宅の場合は一戸建てのように地面などに水道メーターを設置できません。ですが前述したように、水道メーターの設置場所の多くは検針員が水道メーターを検針しやすい場所に設置されていることがほとんど。

ですので集合住宅の場合は玄関のドアの横にメーターボックスが備え付けられ、そこに水道の元栓を設置していることが多いです。

元栓をうまく操作できないときの対処法

さて、元栓についていろいろご紹介しましたが、元栓を閉めたい場合、元栓の場所を見つけたのはいいものの、元栓のハンドルやネジが固くて開かなかったり、閉まらなかったりすることもあります。
一刻も早く元栓を閉めたいのになかなか思うように元栓をいじれないと心配にもなりますし、ストレスにもなるでしょう。
こういった場合、どうやって解決すればいいのでしょうか。

固くて回せない。そんなときは……

いくらひねっても固すぎて元栓の栓がひねれないことがあります。そんなときは、モンキーレンチとペンチを使って動かしてみましょう。
これでだめな場合はバルブにタオルを巻き、金づちを使って元栓が開く方向へ軽くたたいてみてください。

少し動いたようなら、またモンキーペンチとペンチを使ってあけてみましょう。

ドライバーを使う元栓の場合は……

ドライバーを使ってあけるタイプの元栓は、マイナスドライバーを2本、左右から差し込み、回してみましょう。しかし、元栓が傷ついて壊れてしまうおそれがあるのであまりおすすめしません。

元栓が閉まらない場合

元栓が閉まらない多くの場合は、栓が壊れていて回せない可能性があります。壊れてしまった場合は、元栓を修理する必要がでてくるでしょう。

元栓にトラブルが発生したときの解決法

元栓が固いからといって無理に開けるのは止めましょう。無理に開けてしまうと元栓が閉まらなくなります。
また自由に開け閉めができなくなるため、とても不便な思いをしなければいけません。

もし、元栓が壊れてしまった場合、どんなことをすればいいのでしょうか。

元栓が壊れたときの解決法

元栓が壊れたときの解決法は以下の通りです。

ハンドルが壊れた場合は交換しよう

ハンドルが故障してしまった場合は交換をおこないましょう。ホームセンターなどで元栓のハンドルは交換できますが、自分で交換するのは手間がかかりますし、失敗して何度もやり直してしまえばストレスもたまることでしょう。

壊してしまった場合は、まずは、水道を管轄する市区町村の水道局、または水道課に連絡して元栓を壊してしまった旨を伝えてみましょう。

元栓は壊れたようすがないのに水漏れがする

元栓が壊れたようすがないのに水漏れがする場合、元栓が壊れたというよりは、水道管の水をせき止める部品が故障してしまっているかもしれません。こういった場合は応急処置をおこない、ただちに水道修理業者か、賃貸であれば大家さんに相談しましょう。

応急処置方法

水漏れの応急処置方法は2通りあります。その2つとは……。

・元栓を閉める
・こまめに水を拭きとる

です。とくに水漏れはそのままにしておくと、水道料金が上がってしまうどころか、木材などが腐ってしまう原因にもなりえます。

バルブ式元栓のハンドル交換手順

元栓だけ壊れてしまった場合でもいざというときのために早めに修理したいものです。しかし、水漏れをしていないのに、元栓の修理だけで業者を呼ぶなんて……。そう思われる人のなかにはいらっしゃるでしょう。
そんな人向けに自分で元栓を交換する簡単な流れを説明していきます。

元栓を壊さない、無茶しない程度に実践してみるといいでしょう。
物を直すことが苦手、難しいと感じた場合は業者を呼ぶことをおすすめします。

※ハンドル式の取替え方法です。

まとめ

水道の元栓は水の流れを制御する役割を担います。簡単に仕組みを説明すれば、水道の元栓を開ければ水道の流れを促すことができ、閉めれば水の流れを止めることができるのです。

とくに、水道工事や水道トラブルなど、水の流れを制御したいときに使います。ですが、頻繁に使うものでもないので、久しぶりに元栓を触ってみたら、簡単に開かない、閉まらないといった事態もおきてしまうことでしょう。

そして無理に開けたり、閉めたりした結果、元栓が壊れてしまうこともあるよう……。こういったときは水道修理業者に依頼し、トラブルを解決してもらいましょう。