ドラムトラップ・椀トラップ・管トラップ3つの排水トラップをご紹介

排水トラップの交換を検討していて、ドラムトラップが気になっている……などという方のために、今回はドラムトラップについてご紹介します。

ドラムトラップとは、家庭の水回りに設置されている排水トラップ（排水配管の一部に水を貯めており、それによって悪臭などを防いでいるもの）の種類のひとつです。形状はその名のとおり、ドラムのような形をしています。

このコラムでは、ドラムトラップの構造やほかの排水トラップとの違いをみていきます。また、排水トラップで注意が必要な「破封」についても解説します。ドラムトラップを理解した上で、排水トラップの交換についても考えていきましょう。

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気になる「ドラムトラップ」の構造

ドラムトラップの構造は、簡単にいえば排水ますの構造と同じです。

排水ますとはどこの家庭にも設置されている、排水管のごみと水を分離する場所です。排水ますにごみを蓄積し、水だけが排水管へ流れていく仕組みになっています。ごみが溜まりやすいところに設置され、掃除や点検ができなくなることを防止しているのです。

ドラムトラップは、この排水ますと同じ構造です。排水ますと同じように、ごみが出やすいところに置くことを推奨されています。

その名のとおり貯水部分の形状がドラムのようになっているため、その分貯水性能が高くなっています。そのため、最近の浴室ではほとんどがこちらのトラップになっている、といわれているのです。

ほかの排水トラップとも比べてみよう

ドラムトラップとはどんなものなのか、今度はほかの排水トラップと比較してみましょう。排水トラップにはほかに、椀トラップや管トラップがあります。

椀トラップ

このトラップの形状はその名称通り、お椀のような見た目をしています。これをひっくり返し、排水管の上からおおうようにかぶせて利用します。

形がシンプルで掃除がしやすいのが椀トラップのメリット。しかし、この椀トラップは排水管の匂いなどが逆流しやすい、という注意点もあります。

理由としては、ほかのトラップよりも比較的水の量が少なく、蒸発してしまいやすくなっているためです。この水が蒸発してしまうと、汚水の空気などが流れ込んでしまうおそれがあるのです。

管トラップ

洗面所の下などでよく見かけるような、管がぐにゃりと曲がったトラップを管トラップといいます。

この排水管は、形状が曲がっていることによって水を貯めることができます。水が曲がった部分に貯まっていることによって、排水間からの空気や匂いを抑えてくれるのです。

また管トラップには、その形によって次のような3種類があります。
〇曲がったあと、壁方向へ水平に伸びるPトラップ
〇曲がったあと、床方向へ伸びるSトラップ
〇出入り口は共に水平、その途中のみU字に曲がっているUトラップ

管トラップは、水を使うと自然と洗浄されますが、髪の毛などがつまりやすいというデメリットもあり、掃除がまったく必要ないというわけではありません。とはいえほかのトラップのように排水口に設置されているわけではないため、場所をとらないという点はメリットといえるでしょう。

排水トラップは「破封」に注意！

ドラムトラップなどの排水トラップで注意が必要なのが「破封」という現象です。排水トラップから悪臭がしたら、破封が起こっているかもしれません。

破封とは？

破封とは、排水管の内部にある下水などの匂いや空気が室内へ流れ込んでしまうことを指します。この現象の原因は、おもに封水の減少です。

封水とは、排水トラップ内にたまっている水のことで、排水管内から臭いが室内に流れこまないようにふさぐ役割をしています。この封水が蒸発などの理由でなくなってしまうと破封が起きてしまうのです。

破封しないための対策

破封が起こると室内に悪臭が上がり、生活に支障が出ていまいます。それを防止するには、排水管の中の汚れを定期的に取り除いておくことが大切です。

とくに髪の毛や繊維状の汚れなどはつまりやすくなるため、パイプクリーナーなどで掃除をしましょう。くわしいメンテナンス方法は、次でご紹介します。

排水トラップのメンテナンス方法

ドラムトラップなどの排水トラップは、メンテナンスをすることで破封などのトラブルを防止することができます。それぞれのメンテナンス方法を解説します。

ドラムトラップ

ドラムトラップの内部にある網目のかごのようなものをバスケットと呼びます。このバスケットは、メーカーでは毎日1回の掃除が推奨されています。できるだけこまめに掃除をするように心がけるとよいでしょう。

ナットをゆるめ、ふたを取り外すとバスケットを上げることができます。取り外したあとは、スポンジや歯ブラシなどを使って掃除しましょう。掃除が終わったら、逆の手順で元通りにすれば完了です。

日ごろはこのような掃除をおこない、汚れがとくに気になったときにはパイプクリーナーを使用すれば、より効果的です。

椀トラップ

椀トラップには基本的に水がたまっているため、カビや雑菌が付きやすい部分といえます。これはおもに台所に使用されていることが多いため、食器用の中性洗剤で掃除することができます。

椀トラップのバーツを外したあと、スポンジなどに洗剤をつけて、ぬめりなどもとるように掃除していきます。それでも頑固な汚れがある場合は、パイプクリーナーなどで掃除しましょう。

管トラップ

管トラップは、水を流せば洗われるというメリットはありますが、週1回程度はお手入れするとよいでしょう。簡単なのは、液体パイプクリーナーを使う方法です。排水口に直接液体パイプクリーナーを入れて30分ほど置き、水でしっかり洗い流せば完了です。

排水トラップの交換は業者がおすすめ

ドラムトラップをはじめ、排水トラップの特徴についておわかりいただけたでしょうか。特徴をふまえた上で新しい排水トラップへ交換したいという場合には、業者に依頼することをおすすめします。

排水トラップにはいろいろな種類があるため、交換の際はサイズを正確に測って用意をしなければいけません。また、取り付けには専用の道具が必要な場合もあります。

さらに、今までとちがうタイプの排水トラップに交換する場合、取り付け方が間違っていると水漏れの原因になってしまうことも。作業に失敗してしまうと、かえって状況を悪化させてしまうかもしれません。

プロの業者に依頼すれば、水漏れなどのトラブルのリスクが少なく、正しい知識で排水トラップを交換してもらうことができます。費用はかかりますが、安全にしっかり交換することができれば、結果的にはお値打ちになるのではないでしょうか。

まとめ

ドラムトラップは排水トラップのひとつで、排水ますと同じような構造をしており、これはおもにユニットバスや浴室に使われています。このような排水トラップにはほかにも、椀トラップや管トラップがあります。

排水トラップの中には封水という水があり、何らかの理由でこれが少なくなると破封という現象が起こります。破封が起こると室内まで悪臭が上がってきてしまい、生活に支障が出ることも。これを防ぐためにも、日ごろからメンテナンスをすることが大切です。

排水トラップを交換するときは、水漏れなどの不安もあるため、プロの業者に依頼することをおすすめします。用途に合った排水トラップに交換して、快適な生活を送りましょう。