「屋根から落ちた雪でカーポートが壊れた!」「雪が解けたと思ったら雨どいが歪んでる」なんてことはありませんか。これらの雪災は、雪止め金具を取り付けることによって防ぐことができます。
しかし、自分で雪止め金具を取り付けると、位置を誤り屋根に損傷をあたえてしまうかもしれません。また、屋根から転落する危険もあるでしょう。
このコラムでは雪解け金具の適切な取り付け位置や必要費用についてまとめました。しかし、高所での作業には危険が伴います。安全に施工するためには業者へ依頼することをおすすめします。
目次
雪止め金具の必要性について
屋根から雪が落ちないよう取り付ける器具を雪止めといい、雪止め金具は手軽に使える雪止めの1種です。ではなぜ、こうした器具が必要なのでしょうか。
じつは、雪は意外と重いのです。例えば降ったばかりのふわふわな雪でも1立方メートルあたり50kgと、見た目以上の重さがあります。これが降り積もった結果圧縮されるとその10倍、1立方メートルあたり500kgに達することも少なくありません。
このような重さの雪がカーポートや雨どいに落ちてしまえば、その衝撃で壊れてしまうことは避けられないでしょう。最悪の場合車や隣の敷地になだれ込み、大きな被害を与えるおそれも考えられます。被害の大きさを考えれば、あらかじめ雪止め器具を設置するメリットは大きいのです。
ただ、雪止め金具にはデメリットも少なくありません。重い雪を屋根に残しておくということなので、当然下に落ちていくよりも建物全体に与える負担は大きくなります。屋根内部で結露が発生する、雪が溶けた水がすき間から浸入するといったリスクもあり、日常として多くの雪が積もっている状況には向いていません。こうした積雪の多い地域ではむしろ雪を落とす前提で住まいを設計するべきで、雪止めは不要といえるでしょう。
このように雪止め金具には「適した地域」があります。また「適した設置方法」により初めて効果を生み出すものといえるため、設置方法についてもしっかりと確認しておくことが大切になります。
【屋根の種類別】オススメの雪止めと設置方法と位置
雪止め金具は落雪の危険を防ぐ一方で、屋根には負担をかけます。そのため適した位置に取り付ける必要が出てきます。まずは屋根の種類によって異なる設置方法について確認しましょう。
・スレート屋根
屋根のすき間に雪止め金具を差し込んでいきます。金具にある返しを屋根に引っ掛けることで固定するので、工具などもあまり必要ではありません。
・金属屋根
アングルタイプと呼ばれる雪止め金具が使用されることが多いです。アングルタイプとは、1本の長い金属棒(断面L字)によって雪止めをおこなう形式になります。金属屋根の出っ張りに金属棒を固定するための金具を取り付けていくので多少手間がかかるでしょう。
・瓦屋根
瓦屋根にも雪止め金具を取り付けることが可能です。他の2種の屋根とは違い、段違いで金具を屋根のすき間に差し込んで取り付けます。
瓦屋根の場合には雪止め瓦という、瓦に取手をつけたような瓦もあります。取手部分が雪止めの役目を果たすのです。この場合は雪止めを後付けするというよりも新しい瓦との交換となります。
取り付け位置にも注意!
雪止め金具の取り付けの位置は屋根の種類に関わらず、屋根の先端である軒先から40~80センチメートルの位置が適切です。軒先から離して取り付ける理由は2つほどあります。
【軒先の負担を和らげるため】
家を支える壁よりせり出しているのが軒先です。ここに重さがかかるということは「軒先と壁の接合部分に集中して力がかかる」という意味になり、破損につながりやすくなります。
【腐食を防ぐため】
軒先から流れだした水はまっすぐ落ちるわけではありません。水には表面張力があるため、軒下を伝い屋根を支える構造部分まで入り込むおそれがあるのです。屋根を支える構造は木材が使われていることが多く、水を含めば腐食やシロアリなどの影響で弱ってしまいます。とくに軒先に雪、つまり「水のかたまり」をためてしまうとこのリスクが高まることから、軒先から離して設置することが求められています。
雪止め金具の設置は、屋根を張り替えるなどの大きな工事は必要ありません。屋根を張り替えることなく、既存の屋根の上に後付けで雪止め金具を取り付けることができます。取付方法も簡単なことが多く、位置さえ気を付ければ使いやすい器具といえるでしょう。
雪止め金具の設置にかかる費用ってどのくらい?自分でできる?
取り付け工事の内容が簡単でも、雪止め金具の取り付け位置は屋根という危険な場所です。自分で設置する場合には常に危険を伴うことに注意しましょう。
また雪解け金具などの取り付けが甘い場合には、水などが入り込むすき間をつくってしまい、屋根を損傷させてしまうこともあります。このようなことが起こらないように、雪止め金具の取り付けは業者へ依頼することをおすすめします。
安全のためとはいえ、雪止め金具の取り付けを業者に頼んだ場合はいくらかかるのか気になるところです。比較として金具本体の費用も一緒にまとめました。なお家の大きさは10坪から30坪と想定し、足場代を除いています。
・スレート屋根
金具本体は約2万円から3万円
業者に依頼した場合は約7万円から10万円
・金属屋根
金具本体は約7万円から9万円
業者に依頼した場合は約12万円から15万円
・瓦屋根
金具本体は約3万円から5万円。雪止め瓦は約12万円から30万円ほど
業者に依頼した場合は約7万円から10万円。雪止め瓦の場合は約20万円から40万円
もちろん自分で取り付ければ金具の費用だけで済むため安くなります。しかし屋根から落ちる危険もあり、取り付けの不備から屋根へ悪影響がでるかもしれません。
これらの事故が発生すると治療費や修理費が必要となってしまい、最終的な費用が高くなってしまいます。結果として事故が起こらないよう、業者へ頼んだ方が安くなることが多いでしょう。
屋根のリフォームには保険が適用されることも!
落雪などで雨どいが損傷してしまうことがあります。そうなると業者に修理をお願いすることになるでしょう。ですがその前に一度詳細を確認して欲しい保険があります。それは、火災保険です
なぜなら火災保険は水災や風災、雪災にも対応しているからです。ただし、すべての火災保険にあるわけではありませんので、保険内容に雪災の表記があるか一度ご確認ください。
また保険が適用されるためには、業者に連絡して調査してもらう必要があります。保険会社への連絡は依頼した業者によって調査報告書や見積書が完成してから、施工する前におこないましょう。
保険会社に連絡すると一度保険会社から災害による損傷かどうか調査にやってきます。調査終了後に災害による損傷だと診断されれば保険金支払いが完了し、工事が始まります。
なおカーポートが落雪によって損傷した場合は火災保険が適用されますが、自動車に損害が出たときは住宅の火災保険は適用されません。屋根から落ちた雪による雪災でも自動車は自動車保険から保険が適用されます。
自宅の屋根から落ちた雪によって隣家に損害が発生した場合には「隣家の」火災保険が適用されます。注意してください。
保険が適用された屋根の修理には、嬉しいことに高額になりやすい足場代も含まれています。屋根の修理だけではなく、雪止め金具の取り付けなどの屋根のリフォームも同時におこなうことで費用をおさえることができます。
以上のことから雪によって屋根に損傷が出たときには、業者に修理を頼み、雪災として火災保険を適用することを検討しましょう。屋根の修理にあわせて雪止め金具の設置を業者に任せれば、雪止め金具の取り付ける位置も悩まなくてすみます。
まとめ
屋根に雪止め金具を設置しておかないと、屋根から落ちた雪でカーポートや雨どいの破損や隣家にまで被害がおよぶかもしれません。嬉しいことに雪止め金具は屋根を変える必要もなく、後付けの簡単な工事で取り付けられます。しかし雪止め金具には取り付け位置など注意点もあるため、業者に施工してもらうことがおすすめです。
また屋根の修理に火災保険を利用するときに雪止め金具を取り付けると、足場代を保険金から支払えるため設置費用が抑えられます。今後の被害を抑えるためにも、一度検討してみてよいでしょう。
屋根工事を依頼できる業者や料金
依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「屋根工事」をご覧ください。
\ 完全無料 /
厳選した全国の屋根工事業者を探せます!
×
関連記事カテゴリ一覧
屋根工事の記事アクセスランキング
屋根工事の最新記事
カテゴリ別記事⼀覧
- お庭の手入れ
- 害虫駆除
- 害獣駆除
- 電気工事
- 鍵開け・交換・修理
- 窓ガラス修理・ドアノブ修理
- 家の修理
- バッテリー上がり
- ハウスクリーニング
- ペット火葬・葬儀
- 家電修理
- パソコン修理・ネット回線
- 家具・雑貨の修理
- 外壁・屋根工事
- リフォーム
- 防犯カメラ設置
- 盗聴器・その他調査診断
- 便利屋・代行サービス
- 引越し・配送サービス
- オフィス・店舗向けサービス
- その他