ドアの鍵の構造ってどうなっているの?種類・部品別に仕組みを解説

2021.4.30

ドアの鍵の構造ってどうなっているの?種類・部品別に仕組みを解説

家の財産を守る大切な鍵は、防犯性能の高い製品が次々に作られています。古い鍵を使っている場合には、交換をしたいと考える方もいることでしょう。しかし、鍵はどのように作られているのかよくわからず、難しいと感じることもあるかもしれません。

ドアの鍵は、構造を理解すれば自分で交換することも可能です。このコラムでは、鍵の構造と交換の方法を解説します。防犯性の高い鍵の種類もご紹介していますので、ドアの鍵を交換したいと考えている人はぜひご覧ください。

ドアの鍵の構造は大きく分けて4つ!

鍵はいくつかの部品で構成されています。鍵を構成している各部品の名称と役割を知ることで、ドアの鍵の構造をより深く理解できるでしょう。

ドアの鍵の部品1:シリンダーとサムターン

シリンダーとは、いわゆる鍵穴の部分のことです。シリンダーの内部には小さなピンが何本か並んでいて、それぞれ高さが違います。このピンの高さとキーについているギザギザの形が対応していて、正しいキーを差し込んだときにだけシリンダーを回転させ、鍵を開けることができるのです。

このシリンダーに器具を差し込んでピンを動かし、不正に鍵を開けるのがピッキングという手口です。シリンダーの構造が複雑であるほどピッキングはされにくくなります。シリンダーにはピンシリンダー、ディスクシリンダー、ディンプルシリンダーなどの種類があり、ディンプルシリンダーはピッキングに強いとされています。

サムターンは鍵穴の室内側についている、鍵を内側から開け閉めするつまみです。ドアに穴を開けて針金などを差し込み、外からサムターンを回すのがサムターン回しという空き巣の手口です。

その対策として、サムターンにカバーを取りつけておく方法があります。近年では針金などで引っかけにくい球状のサムターンや、サムターン自体を外して、内側からもキーを使わないと開け閉めできないものなどもあります。

ドアの鍵の構造ってどうなっているの?種類・部品別に仕組みを解説

ドアの鍵の部品2:ドアノブ

ドアを開け閉めするための取っ手がドアノブです。ドアノブを回転させることでドアを仮締めしている金具を引き込ませ、ドアを開ける仕組みです。筒状のノブをひねって開けるタイプ、レバーを押し下げて開けるタイプなどがあります。

また、ドアノブの中央にシリンダーが内蔵されているものと、ドアノブとシリンダーが別になっているタイプがあります。ドアノブを破壊してドアをこじ開ける空き巣の手口もありますので、破壊に手間がかかる別になっているタイプのほうが防犯性は高いといえるでしょう。

ドアの鍵の部品3:ドア内部の錠前ケース

シリンダーやドアノブが接続されている鍵の本体といえる部分で、多くの場合はドアのなかに内蔵されています。鍵を閉めると錠前ケースからデッドボルトという金具が突き出し、壁側の穴に差し込まれてドアが開かないように固定する仕組みです。

デッドボルトがついておらず、ドアを仮締めしておくための三角の金具であるラッチボルトだけがついているものもあります。その場合、施錠はラッチボルトを動かないように固定することでおこないます。

ドアの鍵の部品4:外枠の「ストライク」

ストライクは、壁側についているデッドボルトやラッチボルトが差し込まれる穴のことです。鍵を交換する際にデッドボルトなどの形状やサイズが適合しない場合には、ストライクも一緒に交換する必要があります。

それぞれの部品は別に組み合わせられることが多い

ドアの鍵を構成するそれぞれの部品は、単体で販売されていることもあります。そのため部品が適合すればシリンダーのみを交換したり、違うメーカーの部品を組み合わせて交換したりといったことも可能です。ただし、事前に適合するサイズなどをよく確認しておくことが必要です。

ドアの鍵交換は自分でもできる!

ドアの鍵の構造をしっかりと理解すれば、交換の作業はそれほど難しくはないでしょう。ただし、失敗のリスクを少なくするためには事前の準備が大切です。ドアの鍵を自分で交換する際の準備と手順をみていきましょう。

ドアの鍵の構造ってどうなっているの?種類・部品別に仕組みを解説

鍵選びで事前に調べておくこと

鍵を交換するには、まず新しい鍵が必要です。用意した鍵がドアや既存の部品に適合しなければ、交換することはできません。事前に以下のサイズを測っておき、適合する鍵を選びましょう。

ドアの厚み

ドアの側面の横幅を測ります。

フロント板の長さ

フロント板はドアの側面についている、錠前ケースのカバーです。このフロント板の縦と横の長さを測っておきましょう。

フロント板のネジの間隔

フロント板をドアに止めている2本のネジの距離を測っておきます。

ドアノブ台座の直径

ドアノブのつけ根にある台座という丸い部品の幅を測ります。

バックセット

バックセットとは、ドアの端からドアノブの中心までの長さです。これを測ることで、錠前ケースのサイズがわかります。

スペーシング

シリンダーとドアノブが別になっている鍵の場合、シリンダーの中心からドアノブの中心までの間隔であるスペーシングの長さも測っておきましょう。

ドアの鍵交換で必要な道具

ドアの鍵を自分で交換する際に必要な道具をご紹介します。いずれもホームセンターなどで販売されていますので、新しい鍵と一緒にそろえておくのもよいでしょう。

プラスドライバー

ネジを回すのに使います。

小さなドライバーやキリなどの細長いもの

ドアノブについている小さな穴にドライバーなどを差し込んで、ドアノブを取り外すタイプの場合に必要です。穴に入る細長い棒状のものであれば、代用可能です。

ウォーターポンププライヤー

ドアノブを回転させて取り外すものもあります。手で回せる場合は必要ありませんが、硬くて回せない場合には、水道管のナットなどを回す工具であるウォーターポンププライヤーがあると便利です。

ドアの鍵交換方法は?

ドアの鍵を交換する手順は、鍵の種類によって異なります。まずは既存の鍵がどの種類なのかを知る必要があるでしょう。鍵の種類は、以下のポイントで判別することができます。

・ドアノブと鍵穴が別になっている…シリンダー箱錠
・ドアノブの中央に鍵穴があり、デッドボルトがある…インテグラル錠
・デッドボルトがなく、内側からはドアノブ中央にあるボタンを押して施錠する…シリンダー円筒錠
・デッドボルトがなく、両側のドアノブがネジでドアに固定されている…チューブラ錠

ここでは、おもに既存の鍵を取り外す際の基本的な方法を解説していきます。新しい鍵の取りつけは取り外したのと逆の手順でおこなうことができますが、製品に付属している説明書をよく読んで進めていきましょう

シリンダー箱錠の場合

まず、ドアノブを外します。シリンダー箱錠の内側のドアノブにはネジがついていますので、このネジを緩めてドアノブを外します。ドアノブを外すとその下に丸座という部品がありますので、ネジを緩めて外しましょう。丸座を外すと、外側のドアノブも外すことができます。

次に、ドア側面のカバーであるフロント板を外します。フロント板はネジで止められていますので、このネジを緩めて外しましょう。ドア側面に鍵穴部分であるシリンダーを固定しているピンがありますので、これを抜き取り、シリンダーを取り外します。

ドア側面に錠前ケースを固定しているネジがありますので、ネジを緩めて錠前ケースを取り出します。取り外したのと逆の手順で、新しい鍵を取りつけていきましょう。

インテグラル錠の場合

内側のドアノブの台座を手やプライヤーを使って回転させて外します。丸座を外し、さらにその下にある外側のドアノブを固定しているネジを緩めると、外側のドアノブも外すことができます。ドア側面のフロント板のネジを外し、錠前ケースを抜き取りましょう。逆の手順で、新しい鍵を取りつけます。

シリンダー円筒錠の場合

内側のドアノブの側面に小さな穴が開いていますので、その穴にドライバーなどを差し込んでドアノブを引っ張ることで、ドアノブを取り外すことができます。丸座に開いている小さなすき間にドライバーなどを差し込み、丸座を外しましょう。

丸座の下にあるネジを外すと、外側のドアノブを外すことができます。ドア側面のフロント板を外し、錠前ケースを抜き取ります。新しい鍵も、逆の手順で取りつけていきましょう。

チューブラ錠の場合

チューブラ錠はドアノブがドアにネジで固定されています。内側と外側のドアノブのネジを緩めて、それぞれ取り外します。ドア側面のフロント板を外し、錠前ケースを抜き取りましょう。新しい鍵も逆の手順で取りつけます。

ドアの鍵交換を業者に依頼すると費用はどのくらいかかる?

ドアの鍵は、構造が比較的単純なチューブラ錠などであれば自分で交換するのもそれほど難しくありませんが、シリンダー箱錠などは少し複雑な作業になります。施工に不備があったり、途中で方法がわからなくなってしまったりといったリスクもあるでしょう。少しでも不安があるのであれば、鍵の交換はプロに任せるのが安全です。

では、ドアの鍵交換を業者に依頼した場合には、どれくらいの費用が発生するのでしょうか。まず、ひと口に鍵の交換といっても2通りのパターンがあります。ひとつは錠前ケースやドアノブといったすべての部品を交換するパターンです。もうひとつは、鍵穴の部分であるシリンダーのみを交換するパターンです。

鍵を別の種類に変更したい場合や、劣化や破損などの理由で鍵を交換する場合には、鍵全体を交換する必要があるでしょう。一方、キーを紛失してしまって防犯のために交換したいといった場合には、シリンダーだけを交換すれば以前の鍵では開けられなくなりますので、目的は果たすことができます。

シリンダーのみの交換は全体の交換に比べて新しい部品が少なくて済みますので、業者に頼んだ場合の費用も安く抑えることができます。シリンダーのみの交換を業者に頼む費用は10,000円~15,000円程度、全交換の場合は15,000円~20,000円程度が相場です。

新しい鍵をより防犯性の高いディンプルキーや電子キーにする場合には、もっと費用がかかる場合もあります。また、業者によっては出張料などが別途かかる場合もありますので、事前に見積りを取って料金の詳細を確認しておくのがよいでしょう。

未来的!?玄関の鍵を電子キーにする家庭も増えてきた

ドアの鍵は、構造が複雑であるほど防犯性が高くなります。せっかく鍵を交換するのであれば、より防犯性の高いものに変更したいという方も多いでしょう。そこで、近年登場した防犯性が高く、便利な電子キーについてご紹介します。新しい鍵を選ぶ際の参考にしてみてください。

電子キーにはどんなものがある?

電子キーとは、従来のキーとシリンダーを使う方法ではなく、電気を使って開け閉めする鍵です。ICチップや磁気を埋め込んだカードをセンサーで読み取るカードキー、暗証番号を入力するもの、自分の手の指紋やスマートフォンを鍵として登録できるものなどがあります。

電子キーの大きな特徴は鍵穴がないということで、鍵穴に器具を差し込んで不正に解錠するピッキングに遭わないというメリットがあります。また、合鍵も作れないものが多いので、非常に防犯性が高い鍵なのです。

ドアの鍵の構造ってどうなっているの?種類・部品別に仕組みを解説

簡単に後付けできる電子キーも!

電子キーのなかには、既存の鍵の上に後付けできるものもあります。鍵穴とサムターンの上にそれぞれかぶせるように部品を取り付け、外側で鍵を開ける操作をすると内側の部品が連動してサムターンを開けるといった仕組みです。

また、補助錠として取りつけられる電子キーもあります。ひとつのドアにふたつの鍵を設置すると、鍵を開けるのに倍の時間がかかることから空き巣の標的になりにくくなるという効果が期待できます。既存の鍵に加えて防犯性の高い電子キーを取り付けておけば、空き巣に狙われる確率は低くなるでしょう。

電子キーの注意点

電子キーは電気で動きますので、停電時や電池が切れた際には施錠や解錠ができなくなるおそれがあります。キーを使って手動で開けられるものもありますので、緊急時の動作についてあらかじめ確認しておきましょう。

電子キーにはオートロックになっているものが多く、カードキータイプなどはキーの閉じ込みが起こるリスクがあります。暗証番号タイプでは、使い続けることで同じボタンの色が変わり、番号が推測されてしまうおそれがあります。また、指紋認証タイプは、指をケガするなどしたときには鍵を開けられなくなることもあるのです。

このように、電子キーにはいくつかの注意点もあります。それぞれのキーの特性を理解した上で導入することが大切です。また、電子キーの取り付けには電気系統の工事が必要になる場合もありますので、業者に依頼したほうがよいでしょう。

まとめ

ドアの鍵はシリンダーとサムターン、ドアノブ、錠前ケース、ストライクといった部品で構成されています。ドアの鍵の構造を理解すれば、自分で交換をすることも可能です。ただし、鍵のなかには構造が複雑にできているものもあります。そのような鍵は自分で取りつけるのが難しい場合もありますので、業者に任せておくのが安心でしょう。

鍵の業者を探す際には、弊社にご相談ください。弊社には多くの鍵業者が加盟していますので、要望に対応できる業者を無料で紹介することができます。業者を探す手間を大幅に省くことができ、すぐに鍵を交換することができるのです。24時間無料の電話相談を受けつけていますので、ぜひお気軽にお電話ください。


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