木材の含水率を詳しく解説!含水率を知れば木材は扱いやすくなる!

2021.4.30

木材の含水率を詳しく解説!含水率を知れば木材は扱いやすくなる!

最近はDIYブームもあり、木材に触れる機会が多くなったのではないでしょうか。伐採した木材を使って物を作ったときに、ぴったりとあわさっていた木が収縮して隙間ができたり、膨張して木材が割れてしまった経験もあるはずです。

これらは、含水率が大きく関係して起きる出来事なのです。含水率を知れば木材をうまく利用できるようになるので、知識として覚えておくとよいでしょう。今回は、含水率の詳細から計算方法まで、詳しく解説していきます。木材の含水率を知ることで、木材の理解度も高める参考にしてみてください。

含水率は木に含まれる水分の割合のこと

もしかしたら初めて含水率という言葉を、目にした方もいらっしゃるかもしれません。含水率と書いて「がんすいりつ」と読みます。ここでは含水率の詳細から木材の含水率まで詳しく解説していきます。

含水率とは?

含水率とは木材の中に含まれる水分の割合を示します。含水率は木材を扱ううえでとても重要です。とくにDIYで使う木材と、大きな関りがあります。樹木は伐採直後であってもたくさんの水分を含んでおり、そのままの状態では木材として適していません。そのため、木材として利用できるよう乾燥させて、含水率を下げるのです。

木材の含水率

木材の含水率は木の種類によっても変わってくるので、覚えておくといいでしょう。木の中心部分の色がしっかりした部分は心材、外側の淡い色の部分は辺材と呼ばれており、辺材のほうが心材よりも水分を多く含んでいるとされています。

木の種類と含水率(%)
スギ……心材:55、辺材:159
ヒノキ……心材:55、辺材:153
アカマツ……心材:37、辺材:145
エゾマツ……心材:41、辺材:169
ミズナラ……心材:72、辺材:79
セン……心材:77、辺材:102
トチノキ……心材:166、辺材:123
コナラ……心材:75、辺材:67
ミズナラ……心材:79、辺材:72

含水率は木に含まれる水分の割合のこと

含水率が下がると木材として使いやすくなる

木材の含水率が変化すると、木材にさまざまな影響が出てきます。伐採した木を乾燥しないでそのまま使うと、木が曲がったり割れたりする問題が起きてしまいます。

そうならないよう木を製品化する際は、必ず乾燥させて水分を減らす作業をおこないます。十分に乾燥させた木材は強度が増し、反りや収縮などの現象が起こらなくなるため、とても使いやすい木材へと変化します。

含水率の変化による症状

割れ……木の内側や外側に亀裂が生じてしまいます。亀裂が大きくなると木が完全に割れてしまうので最も注意が必要になるでしょう。

反り……木が縦や横に曲がってしまいます。これにより床板や壁板、天井などが波打つような状態になってしまうおそれがあります。

ねじれ……反りに似ていますが、木がねじれた形で曲がってしまいます。元の形に戻すのも難しいです。

収縮……木材の水分が少なくなることで、木が縮んで小さくなってしまいます。これにより木材の間に隙間ができたりするので、後々大きな問題になる場合があるかもしれません。

膨張……収縮の反対に、木材の水分が多くなることで、木が膨張して膨らんでしまいます。

塗装の剥がれ……木材が膨張、収縮することで塗装が剥がれたり、ひび割れたりしてしまうかもしれません。木材の外壁塗装が長持ちしない大きな原因が木材の膨張と収縮にあるのです。

含水率が下がると木材として使いやすくなる

用途にあわせた木材の含水率

どういった用途で木材を使うかによって、適した含水率は変わります。自分でDIYに使うような木材であれば、含水率が20%以下まで乾燥できていれば問題ないようです。ただ、強度が強く上記のような狂いが起きない、理想的な含水率は15%以下とされています。

また、塗装用の木材であれば、含水率12%以下が適しているようです。あまりにも含水率の高い木材に塗装すると、すぐに浮き上がってきたり、はがれてしまったりといった原因になります。木材を使うときは、用途にあわせて含水率も確認するとよいでしょう。

木材の含水率を割り出す方法

木材にどのくらいの水分が含まれているかは、木材の重さとその木材の含水率がわかれば計算式で知ることができます。計算式は以下の通りになります。

含水率の計算式

乾湿基準含水率(%)={木材の乾燥前の重量(g)-木材の乾燥後の重量(g)}÷乾燥後の重量(g)×100

湿量基準含水率(%)={木材の乾燥前の重量(g)-木材の乾燥後の重量(g)}÷乾燥前の重量(g)×100

木材の含水率を割り出す方法

含水率の注意点

どちらも似たような計算式になっていますが、求める割合が大きく変わります。乾湿基準含水率は木材を100として考えるため、100%を超えた数字になるのです。一方で、湿量基準含水率は木材に含まれる水分量の割合がわかるため、100%を超えることはありません。

どちらも同じ含水率を求める計算式ですが、同じ木材であっても割り出す答えは違ってきます。その理由は、単位が違うためです。林業で一般的に使われるのは、乾湿基準含水率(DB)になります。しかし、知識のない方からすると、わかりやすいのは湿量基準含水率(WB)のほうでしょう。含水率を確認するときは、数字だけでなく使われている単位に注意してください。

含水率に関して知っておきたいこと

木材の含水率を考えるうえで、木の性質を知ることでより理解することができるかもしれません。木は周りの湿度が高いと水分を吸い取り、逆に乾燥していると水分を吐き出す性質があります。これにより水分を吸い取ることで木が膨張し、水分を吐き出すと収縮が起こる仕組みです。

木を乾燥させることによって、狂い(反り、割れ、ねじれ、収縮、膨張など)がなくなり、木の強度も増すため、しっかりと乾燥させることが重要です。建築用の木材だと、含水率は10%~20%くらいにする必要があります。ただ、樹木の種類によって初めの含水量が変わるため、乾燥させる期間には注意が必要です。

家を建てる際によく使われるスギの木ですが、葉枯らしの工程で予備乾燥を施すこともあるのです。スギの木は水分を多量に含んでいるため、伐採した後そのまま半年ほど放置して水分を抜く作業をします。

スギの木は心材が赤黒く変色しており、辺材とくっきり色が違うため建築木材として使用するにはやや使い辛い木材です。また、葉枯らしをおこなうことで、色の渋みが抜けたりもするので、さまざまなメリットがあります。

含水率に関して知っておきたいこと

まとめ

木材の含水率は木の性質を知ることが、なによりも大事なポイントになります。含水率は木の種類によっても違うので、木材を扱う前に調べておくとよいでしょう。木材は水分を吸収したり吐き出したりすることで、狂いが発生する場合があります。

狂いが生じた木材を直すには、非常に手間がかかります。あまりにもひどい狂いの場合、使えなくなってしまうこともあるため注意しましょう。適切な含水率にできれば、木材は強度が増し狂いもなくなります。

まとめ

また、塗装の仕上がりもきれいになるので、非常に使いやすい木材へと変化します。このように木材の含水率を知っておくことは、安全にDIYするためにも必要な知識となるのです。伐採を業者に依頼したときなど含水率について心配な方は、適切な乾燥をおこなうために一度聞いておくのもよいかもしれません。


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