鳥なのにミルクで子育て！？鳩がヒナに与えるピジョンミルクとは

鳥類がミルクを与えているのを見たことがあるという人はいらっしゃいますか。「鳥類は昆虫とかを餌として食べているんじゃないの？」と思っている人がいると思います。たしかにほとんどの鳥類はそのようです。しかし、鳩は人間と同じように雛にミルクを与えています。それは鳩特有のもので、ピジョンミルクと呼ばれています。

今回はそのピジョンミルクとは何なのかということを取り上げます。この機会に鳩だけにみられる子育てのしかたについて知っておきましょう。

鳩はヒナにミルクを与える？ピジョンミルクについて

鳩はヒナにピジョンミルクと呼ばれる特有のミルクを与えます。

ピジョンミルクとは

ピジョンミルクは、和名では「そのう乳（そのうにゅう）」といいます。
鳩は、卵を産み温めている時期に体内に「そのう乳」と呼ばれる鳩特有の物質を体に蓄え始めます。これは鳩の「そのう」と呼ばれる部分（胸のあたり）でつくられます。鳩のほかにはフラミンゴがこの「そのう乳」をつくりだすことができます。

このピジョンミルクの与え方は変わっていて、体内でつくられるピジョンミルクを親鳩が吐き出して雛に与えます。ピジョンミルクには、動物性たんぱく質のほか脂肪が多く含まれています。通常の鳥のヒナはピジョンミルクの代わりにこれらの成分が多く含まれる昆虫などを餌としているようです。
　　　　　　

鳩がヒナにピジョンミルクを与える期間とは

鳩がヒナにピジョンミルクを与えるのは、生まれてから20日間ほどです。この20日という数字は、ヒナが巣立つまでの期間です。ヒナが生まれてから巣立つまでに摂取するものをまとめるとこうなります。

・生まれてから数日間　ピジョンミルクのみ
・数日間経過～巣立つまで　ピジョンミルクまたは昆虫

鳩のヒナはほとんどピジョンミルクのみを摂取して巣立ちを迎えますが、他の鳥のヒナと同様に昆虫も摂取することがあるようです。

また、このピジョンミルクは鳩やフラミンゴ特有のものですが、もうひとつ変わったところがあります。ピジョンミルクはオスとメス両方の体で作られるのです。両方の成鳥がそれぞれヒナにピジョンミルクを与えます。

ここまで特殊なピジョンミルクという存在について説明してきました。特有の物質でオスメスに関係なくつくられます。しかもわたしたちの身近に存在する鳩にそのような神秘的な生態があると、鳩を見る目が少し変わるかもしれません。

しかしわたしたちは鳩が大量にいることで危害を受けることもあります。ピジョンミルクから始まり、鳩のヒナが巣立つまでのことについて触れましたが、鳩の繁殖のことについてもう少し掘り下げてみると、わたしたちが鳩によって危害を受けていることについて考えることができます。

鳩の巣に巣を作られても許可なく撤去することはできない……

この小見出しにある通り、鳩は大量に存在するためわたしたちのベランダなどに巣をつくることがあります。しかしこの巣は許可なく撤去することができないのです。それはなぜでしょうか。理由を考える前に、少しだけ鳩の繁殖について知っておきましょう。

鳩の繁殖

鳩はピジョンミルクを使い子育てができるため、昆虫の採取の必要がありません。そのため昆虫がいる春～夏にかけてだけでなく、産卵と子育てをすることができます。つまり鳩は一年中繁殖活動をすることができるのです。多い鳩では1年に5回以上繁殖することがあります。

このことを知っていると、身近に鳩が大量発生している原因が少し理解できたのではないでしょうか。

さて、鳩の巣を許可なく撤去してはいけないということですが、その理由は鳥獣保護法という法律があるからです。この法律により、鳩に限らず野生動物に対して許可なく傷つけたり捕獲したりするなどができません。

もちろん巣の駆除をしてはいけないと決められているのです。

保健所に連絡して撤去してもらう

保健所に連絡をすると鳩の巣の駆除について相談に乗ってくれるときがあります。しかしあまり取り扱ってくれないことが多いようです。

鳩駆除の業者に依頼する

保健所で取り扱ってくれなかった場合も、鳩駆除の業者に依頼することで撤去してもらうことができます。このとき業者も鳥獣保護法を守らなければいけないため、駆除の許可を持っているか一度確認しておきましょう。

このように鳩に巣を作られてしまっては、法律上自分で何とかすることはできないことが多いです。そして一度つくれると鳩は一年のうちに何回もやってきて繁殖活動をします。とても厄介な鳩の巣作りを阻止するには、鳩の巣が1度でも作られないようにすることが大切です。
　　　　　　

鳩に巣を作らせないためにできることとは

鳩が巣をつくる場所は、安全な場所です。鳩にとって安全な場所とは、3方向が囲まれた場所だといわれています。その場所は、人間が住むベランダなどの死角など存在していることがあります。それは次のような場所です。

・エアコンの室外機の裏
・ものに囲まれた場所
・倉庫と天井の隙間

代表的な例としてはこのような場所です。おそらく、このような隙間をすべて埋めるということはよほど注意していないとできないかもしれません。そのため、これらの死角をできるだけなくすほかに対策を重ねるのがよいでしょう。その対策は主に以下のようなことが挙げられます。

CDをつるす
鳩はCDのようなキラキラしたものが苦手です。つるしておくと寄り付かない効果があります。しかしずっと同じ場所に置いていてはいずれ鳩に学習されてしまうようです。定期的に置き方を変えたほうがよいでしょう。

テグスを張る
テグスを張ることはとても効果的です。しかしテグスを張るところは子どもの手が届かない場所限定にしましょう。子どもが触ってケガをすることがありますから注意してください。

忌避剤を使う
鳩用の忌避剤が売られています。これは鳩が苦手とする匂いを使った薬剤です。一定期間置いておくだけのものや、スプレーによって数時間効き目が続くものなど多数あります。家の近くに鳩がとても多い地域では忌避剤を使った対策を試みたほうがよいと思います。

このような対策があります。鳩によって1度も巣が作られることがないように気を付けましょう。まさかピジョンミルクがこのような対策につながった要因ではないでしょうか。

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まとめ

鳩はヒナにピジョンミルクと呼ばれる特有の物質を与えます。それは他の鳥がヒナに昆虫などを与えるように雛の餌として与えるものです。ピジョンミルクは鳩の体内でつくられ、それはオスメス関係なく両方の親の体で作られます。ヒナにピジョンミルクを与える期間は、ヒナが巣立つまでの間です。具体的にいうと20日間程の期間ピジョンミルクを与えます。

鳩は昆虫などを採取する必要がないため、昆虫が発生する春～夏にかけてという限られた期間以外でも子育てをすることができます。そのため鳩は一年中繁殖活動をしています。

鳩はわたしたちの生活する場所にも多くみられます。繁殖力が高いという理由もありますが、人間の住む場所は鳩にとって安全な場所だという理由もあると思われます。なぜなら、人間は法律によって鳩に危害を加えることができないからです。例えば、鳩の巣が家の一部分に作られたとしても人間はその巣を勝手に撤去することができません。

人間が鳩に危害を加えることができないのと反対に、鳩の巣による危害など鳩が人間に危害を加えることがあります。法律を守りつつそのような危害から身を守るには、鳩が住みつきにくい環境づくりをすることが大切です。もし鳩の危害を自分で防ぐことができなかった場合は、鳩の駆除業者がいますから依頼してみるとよいでしょう。

ハト駆除を依頼できる業者や料金

依頼できる業者や料金について、詳しくは「生活110番」の「ハト駆除」をご覧ください。